私は、スポーツチームや企業など組織に対するリーダーシップ教育とメンタルコーチングを仕事にしています。
例えば、長く甲子園から遠ざかっていた石川県の星稜高校野球部を6年ぶりの甲子園に導き、翌年には隣の富山県の高岡商業高校を7年ぶりの甲子園に導くなど、スポーツチームのメンタルコーチングで実績を上げています。両校は今年の夏の甲子園にも出場し、負けはしたものの、ドラマチックなゲームを展開しました。
また、私がオファーを受けた地方銀行のある支店は、100以上ある支店でいつも成績最下位争いをしていましたが、メンタルコーチングを導入したところ、2年後には全支店で成績トップになりました。
嘘のような本当の話です。信じられないと思うかもしれませんが、彼らの顔つきの変化を見れば納得するのではないかと思います。
星稜高校も、高岡商業高校も、私が初めて会った時、笑顔がなく、表情は曇りがちでした。
私が「必ず甲子園に行けると思う人は?」と挙手を促しても手を挙げたのは数名程度。誰も甲子園に行ったことがないため、そこに到達するイメージが持てない。準決勝や決勝までは順当に勝てても、ここ一番の大事な試合で負けることに慣れてしまっていて、自分に自信が持てていないのです。
銀行の支店もそうでした。雰囲気はどんより暗く、上司はしかめ面で、部下は上司に叱られないようにミスしないように仕事を頑張っている。鎮まり返り、覇気がない。お客さんはそんな営業マンから金融商品を買いたくないので、成績は全く上がらない。
私がメンタルコーチングですることは、彼ら一人一人の表情を変え、組織の雰囲気を変えたことです。全員が自信とやる気に満ち溢れたメンタルの状態に持って行った。逆境があっても挫けない、強い心を持って貰う。自分を信じる。それだけです。あとは彼ら自身が自ら結果を出していくのを見守るだけです。
「メンタルコーチング」という言葉について、「聞いたことがあるようでない」という方が多いのではないでしょうか。
なぜなら、「メンタルコーチング」というのは体系立った理論ではなく、私の造語だからです。「コーチング」と「メンタルトレーニング」を掛け合わせ、実践しながら構築したもので、人のパフォーマンスを最大化するためのメソッドです。
「コーチング」と「メンタルトレーニング」は相乗関係にあり、かけ合わせることで大きな効果を発揮します。
・ まず、「コーチング」で目指すべき目標を設定し、現状が明確になり、目標に向けて具体的になにをすべきかが決まります。
・ しかし実際にスタートを切ってみると、なかなか思ったようには進みません。新たな課題が出てきたり、失敗して周囲に迷惑をかけることもあります。それを乗り越えられるプラス思考をつくるのが「メンタルトレーニング」です。
(私のメンタルトレーニングの基になっているのは、SBTスーパーブレイントレーニング®です。私は「SBTマスターコーチ」としてSBTを全国に伝えています。)
言葉にするととてもシンプルですが、これがとても難しい。この二つを完璧にマスターできたら、人はいつでも最高のパフォーマンスを出せるようになれます。
今回は、その、脳をポジティブな状態に保ち、それを発揮するテクニックを紹介しようと思います。