【格闘技】ベガスのメイン 村田、絶対KO 中盤以降を予告2018年10月21日 紙面から
【ラスベガス(米ネバダ州)藤本敏和】決戦前夜に堂々のKO宣言だ。当地で20日(日本時間21日)に行われるWBAミドル級タイトルマッチの前日計量が19日、試合会場となるパークシアターで行われ、2度目の防衛戦となる王者・村田諒太(32)=帝拳=は計量後に「絶対に倒すので期待してください」と笑顔で言い切った。村田は、リミットを300グラム下回る72・2キロ、挑戦者で同級3位のロブ・ブラントは同700グラムアンダーの71・8キロでクリアした。 会場に招待された一般ファンから声援が飛ぶ海外独特の前日計量。そんな空気に触発されたのか、村田の闘争本能に火がついた。20秒近くに及んだ挑戦者ブラントとの恒例のにらみ合い。これまで平常心を強調してきた男の口から、ついにKOの2文字が飛び出した。 「多くの方に応援に来ていただいて感謝しています。絶対に倒すので期待してください!!」 日本での練習時も、渡米してからの調整でも「KOは結果的にできれば…」という控えめな表現に終始。それが、試合前日になって堂々のKO宣言だ。その理由を問われた村田は、こう語気を強めた。 「相手を目の前にしたら、倒したいという気持ちが強くなった。そういう欲が出ているのは事実。強いパンチを打ち込んで、ブン殴ってやりたい」 そんな村田に頼もしげな視線を向けたのは、元WBCスーパーライト級王者の帝拳ジム・浜田剛史代表だった。「KOを狙いに行かなければならない、村田はそういう立場になった。挑戦者は足が速く簡単ではないが、この試合のさらに次のためにはKOが必要」。帝拳ジム側が描く“次”とは、元同級3団体統一王者のスーパースター、ゴロフキン(カザフスタン)との来春対戦プランだ。トップランク社のボブ・アラム最高経営責任者(CEO)や本田明彦・帝拳ジム会長ら、世界的プロモーターがすでに動きだしているメガマッチ。それを実現させるためにも、倒して勝つことが不可欠だと自覚してるからこそのKO宣言だ。さらに村田は、そのタイミングにもシナリオを披露した。 「前半はないと思いますけど、しっかり相手のパンチを見切ることが大事なので。ただ中盤以降、しっかりプレッシャーをかけて、倒せれば理想的」 現地の賭け率は村田の勝ちが1・2倍、ブラントの勝ちが4・5倍と圧倒的に優位。異国の地での減量から解放され「白米があればいい。気の向くまま食べる」と日本の味で回復に努める。王者に死角はない。村田が聖地・ラスベガスで堂々とメインイベントのリングに上がる。
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