糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

10月19日の「今日のダーリン」

・びっくりしたー。
 実は、この原稿を書いているいまは、
 午前9時20分なのである。
 「今日のダーリン」が届いてないのですが、
 という電話をもらって、あわてて書き出したのである。
 いつもだったら「届いてません」に対しては、
 「お、送るのを忘れててた。いますぐ送ります」
 ということで済むのだけれど、今回はまったくちがう。
 だって、書いてないんだもーん、まるっきり。
 20年以上やっていて、こんなことははじめてだ。

 他の原稿と、いつもの「今日のダーリン」があって、
 その「他の」を書き終わったところで、
 ぜんぶ終わったようなつもりになって、
 眠ってしまったのです…。
 こうやって、言い訳を書いてるだけで、
 なんとかお茶を濁すという方法もないことはないな。
 でも、もう言い訳も済んじゃったぞ。

 えーっと、ちょっと風邪気味だったということも、
 理由のひとつにあったのかもしれない。
 いま、風邪、ちょっと流行っているからね。
 それにしても、いままでだって風邪気味の日なんて、
 何度でもあったわけだしなぁ。
 もうひとつの原稿っていうのが、
 それなりに力の入ったものだったので、
 そっちを書き終えた段階で力尽きた…というのは? 
 似たようなケースはいくらでもあったからダメだわ。
 やっぱり、老人になったもんでという理由が、
 いちばんぴったりくるのではないかしらん? 
 固有名詞なんて、ほとんど忘れちゃってるからね。
 毎日、「えーと、あのあれが…」と思い出せなくなって、
 「ノーヒントのクイズ番組」みたいな日々だからね。
 もともとそういうものを忘れやすい人間だったけど、
 いつごろからか「固有名詞はいらないんじゃないか」と、
 開き直ったりしてくるくらいだからね。
 しかし、ここらへんのことを
 冗談半分にとられているうちは、まだいいけれど、
 本気にされすぎちゃったりするのも困るしなぁ。
 しかしそれでも、ここでいつもの40行になっちゃった。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
20年以上毎日やってきて初めて…という日、おめでとう!?