色々なスレで連投すみません。
自分が気になっていた児童書を先日図書館で借りることができたのでご報告を。
「SOS!時計よとまれ」(1986年)
作:さとうまきこ
小学校中〜高学年向けの児童書です。
ある日小学5年生のタツヤが逆向きに進む時計を拾います。それからというものタツヤの父親と母親が少しずつ若返っていき、気づけば高校生・中学生くらいの若々しいカップルになってしまいます。タツヤと同じマンションに住む片親のリコの母親にも同じ現象が起きており、遊んでばかりの親に2人は困り果てます。
ある朝、タツヤが両親の部屋を訪れるとそこにはぶかぶかのパジャマを着た男女の幼児がいました。しかも男の子は父親と同じ名前を名乗ります。タツヤがもしかして...と思った矢先、3歳くらいの女の子を抱いたリコがタツヤの家を訪れ...。というお話です。
30年以上前の児童書で今は絶版になっていますが、AR要素たっぷりでこの界隈の方々なら興味があると思います。
さらに親が少しずつ若返り続けていき、リコの母親がおもらしをしたり、ハイハイしたりして完全に赤ん坊になってしまうところもあります。タツヤの父親、母親、リコの母親の順で歳が1年ずつ離れており、1年ごとに成長の度合が違う幼児の特徴も描いていて面白いです。もちろん親達に大人の時の記憶や意識はなく、親子逆転の要素もあります(子どもはAPしませんが)。
最終的にタツヤの父親は5歳→3歳、母親は4歳→2歳、リコの母親は3歳→1歳と若返ってしまい、リコの母親があと少しで消滅してしまいそうになる時に、タツヤとリコは逆さ時計を開発した老人に出会います。しかし老人も時計の影響で小学3年生ほどに若返っていて、大人の記憶はあるものの幼児に退行した親達を元には戻せないと言います(この時に子どもになった老人が「あと2、3歳若返っていたら自分の意識まで子どもになってしまっていた」とも語っています)。老人のおかげでなんとか親達の若返りは止まりましたが、そこから再び育てないといけないことに。親達が元に戻りハッピーエンドかと思ったら、親は元に戻らず老人の財産を使ってお互いの親を育てていこうと決意して終わります。
逆さ時計はバイオ・リフレッシャーという名前で生物の死滅した細胞を生き返らせる効果があるという設定や親が少しずつ若返ってしまい話すことや歩くこともままならなくなる様子など細かい描写があり、ストーリーとしても優れています。欲を言えば中高生→幼児よりも、主人公達と同じ年代を通してからじわじわと若返ってもらいたかったと思うところもあるのですが、とにかく面白い作品です。
自分はどこのショッピングサイトでも在庫切れだったのでカーリルというサイト(全国の図書館で取り扱っている本を検査できます)で探して、書庫から出してもらいました。
取り扱っている図書館も多くなく、今後も破棄されてしまう可能性があるので見つかればラッキーだと思います。
長文申し訳ありませんでした。最近はネタがそんなに多くなく、嬉しい出来事だったので。参考までに。
画像はARシーンのモザイク加工版です。