2018年10月11日、コミュニケーションの幅を広げる「LINEクリエイターズ絵文字」が解禁されました。クリエイターズマーケットでも制作・販売が可能になった「LINE絵文字」。LINEスタンプ同様、モバイルアプリとIllustrator CCを使えば誰でもカンタンにオリジナルの絵文字を作成できます。手描きのイラストをベースに、LINE絵文字を作成する手順をご紹介します。
作り始める前に:
販売までのフローをLINE Creators Marketにてご確認ください。LINEスタンプとのちがいや、絵文字ならではの制作のコツが分かりやすく記載されています。作成前に一読することをおすすめします。
準備するもの
- 手描きのイラスト
LINE Creators Market「制作ガイドライン」を参照 - Adobe Capture CC(モバイルアプリ)
iOS版を入手/Android版を入手 - Adobe Illustrator CC
購入する/無償体験版を入手 - Illustratorのテンプレートファイル:7種のパッケージからいずれかをお選びください。
1. 絵文字:8個~40個
2. デコ文字(かなカナ/英数字)+絵文字:273~305個
3. デコ文字(かなカナ)+絵文字:169~201個
4. デコ文字(英数字)+絵文字:112~144個
5. デコ文字(かなカナ/英数字):265個
6. デコ文字(かなカナ):161個
7. デコ文字(英数字):104個
おおまかな作業の流れ
1、モバイルアプリ、Capture CCで手描きのイラストを取り込む
Adobe Capture CCを使い、手描きのイラストをデータ化します。(イラストを読み込む際、紙の色やノートの罫線も認識します。用紙は無地、ペンは黒色ではっきりしたラインで描くのが推奨です。)
- Captureを起動します。(初めて起動する場合、Adobe IDでのサインインを求められます。FaceboonもしくはGoogleアカウントでもOKです)画面上部から「シェイプ」をタップし、さらに下部のカメラアイコンをタップすると、カメラが起動します。
- 手描きのイラストにカメラを向けると、輪郭を検出します。しきい値を調整し、撮影します。
- 取り込みに必要な部分のみトリミングします。/ 指でなぞって一部を消すことも可能。/ スムーズをオンにすると、輪郭をなめらかに補正します。/ 仕上がりを確認し、保存します。
- 作成する絵文字の個数は、パッケージによって異なります。必要な数のイラストを描画し、同様の作業を繰り返します。
2、Illustrator CCでテンプレートにイラストを配置&着色
Illustratorでダウンロードしたテンプレートを開き、Captureアプリで取り込んだイラストを配置、色付けをしましょう。
テンプレートのダウンロードはこちら
四角いエリアはアートボードと呼ばれ、この中にひとつひとつの絵文字を配置していきます。
※この後の色付けの作業が行いやすいように、背景を薄いグレーにしています。
画面上部のウインドウメニューから「CC ライブラリ」を選びます。表示されたライブラリパネルに先ほどCaptureで取り込んだイラストが表示されていることを確認します。(ネットワーク環境によっては、イラストが読み込まれるまで少々時間がかかることがあります)
しくみの解説:
Capture CCで作成したイラストは、Creative Cloud上に保存されています。「ライブラリパネル」を通して保存されたパーツを一覧し、取得して利用することができます。「Creative Cloud ライブラリ」は、モバイルアプリやデスクトップアプリを使用して作成した素材をネットワークを通じて追加、取得、管理することができるCreative Cloudのサービスです。
※モバイルアプリとPC上のアプリケーションが同じAdobe IDでサインインされていることで同期します。
CCライブラリパネルから、Illustrator上にイラストを配置します。
- ライブラリパネルからドラッグ&ドロップで配置。
- イラストの配置と位置、大きさの調整を行います。
- 配置直後のイラストは選択された状態になっています。四隅の□の部分にポインタを合わせ、ドラッグすると大きさが調整できます。このときShiftキーを押しながらドラッグすると、縦横比を固定した状態で拡大縮小できます。
- 移動してひとつのアートボードの中に配置します。(移動の際は、イラストの黒く塗られている主線部分にポイントを合わせてください)アートボードからはみ出さないよう、さらにサイズを調整します。ひとつ配置し終わったら、同様の作業を他のイラストでも繰り返しましょう。
イラストの配置が完了したら、着色します。「ライブペイントツール」を使うと、塗り絵感覚で色を乗せていくことができます。イラストを選択した状態で、「ライブペイントツール」に持ち替え、塗りたい色を選びましょう。
プロパティパネルから色を選び、イラスト上でクリックすると色を流し込むことができます。イラストを選択>ライブペイントツールを選ぶ>色を選んでクリック。の繰り返しです。
※Captureで取り込まれた画像は主線以外切り抜かれています(線以外が透明の状態)白ベースのイラストとしたい場合も、イラストの中のエリアを白でペイントする必要があります。
3、PNG形式で書き出す
いよいよ最終段階です。LINE Creators Marketへ申請するためのデータ(PNG)形式への書き出しを行います。まず、ウインドウメニューから「レイヤー」を選択し「レイヤーパネル」を開きます。「guide」レイヤーの目のアイコンをクリックして非表示にします。
※「guide レイヤー」には、書き出しの際に不要となる要素が含まれています。必ず非表示にしましょう。
「ファイル/書き出し/スクリーン用に書き出し」では以下のように設定します。
- 絵文字が40個以下の場合は、書き出す必要の無いアートボートのチェックマークを解除します
- 書き出し先を設定(デスクトップ等)
- 「サブフォルダーを作成」にチェック
- フォーマットを「1x(=等倍)」、「PNG」に設定
- 最後に「アートボードを書き出し」をクリックします。指定した保存先に「1x」という名前のフォルダが自動で作成され、すべてのアートボードが一括で、指定のサイズ、連番のファイル名で書き出されていることを確認します。
書き出されたこれらのPNGファイルは、LINE Creators Marketに一括申請可能なファイル名に設定されているため、zip化してそのままスムーズに申請することができます。
LINE Creators Marketへの申請
LINE Creators Marketでアカウントを作成し、申請します。販売までのフローはこちらでご確認ください。その他、LINEスタンプとのちがいや、作成に際してのポイントなど詳細を確認できます。
CC道場 特別番組:LINE CREATORS TV 同時中継 〜クリエイターズ絵文字解禁SP〜
2018年10月19日、LINE CREATORS TV にてデモンストレーションを行いました。トップクリエイターのmame&coさんをゲストに、絵文字スタンプに特化した内容となっています。アドビ も作り方を一通りご紹介しています。(34:00あたりから)上記の作り方に加えて、プラスアルファの情報もお届けしていますので、こちらもぜひご覧ください。
いかがでしたか?LINEスタンプよりも作成個数が多い分、デジタルでの作業はなるべくシンプルに行いたいですね。Adobe CaptureとIllustratorを使用すれば数ステップでデータ化が可能です。ここで配布しているテンプレートを使用し、Stampers Dreamを実現する方が生まれることを期待しています!
なお、「LINEスタンプ」の作成方法はIllustratorのチュートリアルからご覧いただけます。こちらもぜひお試しください。