東シナ海のガス田開発は、自民党時代に時々中断しながらも、日中局長級会議を重ね、「翌檜(あすなろ)」南側の日中中間線をまたぐ海域での共同開発、「白樺(しらかば)」開発への参加を決めていました。「樫」と「翌檜」本体、「楠」は、継続協議。
この共同開発発表後途切れていた、局長級会議が今月4日に再開されていました。白樺の出資比率が今後の交渉の焦点となります。自民党政権時代には、「翌檜」同様に5対5の折半論が多かったのですが、民主党政権では中国に過半数を譲ることにすることにしたのだそうです。
政府は12日、東シナ海のガス田共同開発問題で、日本側の出資で合意している「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)ガス田について、出資比率の5割超を中国側に譲る方針を固めた。中国が先行開発してきた白樺で対等の権益を得るのは困難と判断したためだ。中国側により多くの権益を認めることで、開発内容を定める条約締結交渉の進展を図りたい考えだ。
しかし、掘削施設を完成させた中国側の対応を是認することになりかねず、批判は避けられない。
東シナ海のガス田開発をめぐっては、自民党政権下の平成20年6月、中国が単独開発を進めていた白樺で、中国の国内法に従い、開発に当たる中国企業に日本側が出資することで日中両政府が合意した。日本側は生産される天然ガスを出資額に応じ受け取る。
ただ、5対5の対等条件での共同開発とした「翌檜(あすなろ)」(同・龍井)周辺海域とは異なり、白樺の出資比率では合意しなかった。「楠(くすのき)」(同・断橋)、「樫(かし)」(同・天外天)は継続協議となった。
白樺は日中の境界線(日中中間線)の中国側にあるが、ガス田の地下構造が日本側までつながり、開発が始まれば日本の資源も吸い取られる可能性が高い。このため自民党政権下では「国家主権の問題であり、出資比率は五分五分で折半するのが筋だ」として、対等条件を目指すべきだとの声も多かった。
これに対して鳩山政権では今年に入り、過去の交渉内容などを関係閣僚で精査。その結果「共同開発と出資は異なり、交渉経過からも権益の折半を主張するのは難しい」として、5割超の権益を中国側に認める方針を固めた。
<中略>
もっとも、中国側は白樺ガス田について「中国の主権の範囲内であり、共同開発とは関係ない」との立場を変えていない。
日中両政府は今月4日に合意後初の局長級協議を北京で開いたが、中国側は条約締結交渉入りに応じなかった。
中国のガス田開発が立ち上がり拡大し始めた頃、日本の抗議には馬耳東風で無視して進めていた中国でしたに、故中川経産相(当時)は国内業者に開発許可を決定するなど、日本側での開発開始姿勢を示し対抗しました。
既に艦艇を派遣し始めていた中国は、日本の開発行為には武力で対抗するとし日本を威圧してきました。ちょうど経産相が中川氏から眉中の二階氏に何故か替わってしまい、日本側の動きが止まってしまいました。
ガスの埋蔵量は開発投資を補うほどはなく赤字になるといわれていて、第一列島線の制海権奪取をもくろむ中国の覇権拡大の一貫戦略の一つであることは諸兄が既にご承知の通りですね。
中川氏の反抗で、開発スピードを落とした中国ですが、眉中・二階氏から今日の売国新政権に至る道での中国の覇権拡大行動には、お座なりの講義にとどめたことが、着実に実績を重ねることを許し、軍事力の増強もあり今日の様なEEZ中間線越えの日本のEEZ海域で、中国が領有権を主張するまでの状況を招いてしまいました。
ここは、もう一度振り出しに戻すことも厭わない、つまり、日本側は日本独自に開発することにするといった姿勢で交渉すべきです。
前政権の外交交渉成果を覆すことが政権交代の成果と考え、内容をわきまえない政策運用は、普天間移転とおなじですが、ここは逆に相手の中国の言いなりに覆しています。対米姿勢と、対中姿勢が逆の間違いです。
ガス田では、日本の主権を主張することが国防&国益に沿っているのであり、普天間では長年かけて地元、米国との合意に後100メートル前後の位置調整にまできていたものを覆すメリットがない、しかも具体策は無謀にもいまだに定まらない、現状の危険を固定化させる結果を招く、反米・反地元の愚策への迷走です。
国防や国益といった、本質ではなく、反自民の政局優先の、自党が選挙に勝つための、実現性は検討されていない甘言・虚言のマニフェストの政党なのです。
余談ですが、読売の記事では、この民主党のマニフェストの性で、マニフェストのイメージが一挙にダウンしたため、今度の参院選ではマニフェストという言葉を避ける(みんなの党=アジェンダ)政党が増えているのだとか。
ここのEEZの線を護れなければ、尖閣、沖縄と止まるところなく侵食されてしまいます。既に、日本を通り越してすっぽり覆った太平洋・第二列島線までの制海権(空母が完成すれば、制空権も)奪取の行動が開始されているのですから。
民主党に望むのは、無理なのでしょうね。だとしたら、政権を託す誤りを早く是正すべきですね。世論の、内閣支持率も民主党支持率も、その方向の結果を示しているのですが、議席に反映されるのか心配です。
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