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【コラム 撃戦記】

「タイソン以降」一大イベント化

2018年10月20日 紙面から

 今やボクシングの聖地となったラスベガス。巨大ホテルに併設されたイベントホールではへビー級のモハメド・アリやマイク・タイソンをはじめ、複数階級制覇で一世を風靡(ふうび)したデラホーヤやメイウェザー、パッキャオらスーパースターが歴史に残る名勝負を繰り広げてきた。その聖地に村田が新たに名を刻もうとしている。

 私がこの聖地に初めて足を踏み入れたのは1988年3月。完成した東京ドームのこけら落としでWBA、WBC世界統一へビー級王者だったタイソンがタップスを2回KOで下し、日本でブームを起こした後だった。最大視聴率38・1%。タイソンのその後を追ってラスベガス入りした。

 そこで見たのは主催者側のさまざまな仕掛け。公開練習、調印式、計量と節目にメディアを呼んで大々的に取り上げてもらい“カウントダウン”。試合当日もリングアナウンサーが絶妙な言い回しで選手を紹介し、会場を盛り上げるなど一大イベント化していた。

 米国を参考に、今でこそ日本でも試合までの過程がショーアップされるようになったが、タイソンが来日する前、少なくとも88年までは、記者会見も暗い所属ジム内で行われるなど、実は地味そのものだった。 (格闘技評論家)

 

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