パソコンやハードディスクのトラブルで大切なデータが見られなくなってしまったため、データ復旧業者に依頼をしようと考える方もいると思います。
しかし悩むのが「どの業者に頼んだらいいか?」ですね。
・大切なデータなのでお金がかかってもいいから技術に定評のある会社に依頼したい
・戻って来なかったら諦めのつくデータだから、出来るだけ安く依頼したい
などなど、人によって状況は様々あると思います。
データ復旧業者は日本国内で100社以上存在すると言われており、どこに頼むのがベストなのか業者選びが難しいところです。
そこで頼りになるのが「実際に利用した人の評判や噂」といった口コミです。
なにかしらのサービスを利用する際、「いいな」と思った業者の名前で検索をし、口コミを探した経験のある方もいるのではないでしょうか?
「評判や口コミ」は利用者にとってなによりも参考になる情報ですが、ネット上にある情報をそのまま全て真に受けるのは少々危険です。
2chやブログといった匿名によるメディアは、書かれている情報が本当なのかどうかを見定めることは困難です。
特に商売に関する口コミとなると、同業他社からの営業妨害を目的とした「悪評」の書き込みが当たり前のように存在します。
現在のデータ復旧業界において国内トップのシェアを持っているのはデジタルデータリカバリー(旧、日本データテクノロジー)という会社ですが、業界トップであるが故の宿命とも言えるでしょうが、営業妨害目的と思われる事実無根の口コミ、悪評が散見されます。
勿論、中には本当の利用者による口コミもあるでしょうが、データ復旧の知識のない方が見極めるのは困難です。
当サイトではデータ復旧大手のデジタルデータリカバリーのネット上の噂や評判について、それらの情報が信頼できる口コミかどうかを調べ、まとめました。
データ復旧業界だけの話ではなく、どの業界でも同業による営業妨害は存在します。特に、業界トップシェアを持つ会社の悪評は2chなどでもよく目にします。
具体的な営業妨害の方法として、以下のようなものがあります。
・サジェスト汚染
サジェストとは、GoogleやYahoo!で検索したいキーワードを入力した際、検索エンジンから「提案」されるキーワードです。
例えば「英会話」というキーワードをYahoo!に入力すると、以下のようなサジェストワードが出てきます。
検索回数が多いキーワードや該当するサイトの多いキーワードがサジェストとして表示されるのですが、このサジェスト結果を操作して、会社名に続けてネガティブなキーワードを表示させ、イメージダウンを図るという方法がサジェスト汚染です。
やり方は簡単で、表示させたいキーワード(会社名)と、サジェストとして表示させたい悪意のあるキーワードを合わせた内容を2chなどに書き込むだけです。
以下は実際に2chに書きかまれていたサジェスト汚染です。
※日本データテクノロジー・・・デジタルデータリカバリーの旧サービス名 ※OGID・・・デジタルデータリカバリーの旧社名
他にも、以下のようにサジェスト汚染を促すような書き込みもあります。
このように、ネット上の口コミや評判、特に悪評に関しては同業他社等による嫌がらせが多いのです。
そのため、悪評の口コミについては根拠となる情報が添えられているかを確認し、信頼できる情報なのかどうかを見極める必要があります。それでは、実際にネット上に書き込まれているデジタルデータリカバリーの評判、口コミといったものが信頼できる情報なのかどうか、一つずつ検証していきたいと思います。
噂その① | データ復旧率が業界トップの95.1%?! |
---|---|
噂の真相度 | ★★★★☆ |
デジタルデータリカバリーのホームページにも大きく掲載されているこの数値。 データ復旧の成功率とは、依頼があったデータ復旧の内、どのくらいの確率でデータ復旧に成功したか?を表すものです。 データ復旧の成功率は業界の平均値が70~80%と言われており、95.1%という成功率は「本当?」と疑いたくなるような高い数値と言えます。 なぜデジタルデータリカバリーがここまで高い成功率を達成できているか? 最新設備や復旧ツールの充実や、スタッフの熟練度という点もありますが、一番の理由は「ファームウェア障害」の復旧技術が確立されているからと言えるでしょう。 ファームウェアとは、ハードディスクが正常な動作をするよう制御するためのソフトウェアであり、現時点ではデジタルデータリカバリーにしか復旧出来ないファームウェア障害が多数あります。 それにより他社よりも高い復旧率を達成できていると言えます。 また、データ復旧成功の定義ですが、データ復旧業者によって統一されていません。 例えば、ハードディスク内の消えてしまったデータを1つでも復旧出来れば「復旧成功」と定義している業者もあれば、顧客が指定したデータを復旧出来なければ「復旧成功」とはしないという業者もあります。 ちなみにデジタルデータリカバリーの成功定義は後者のようです。 あくまでも顧客が指定したデータの復旧が成功しなければ「復旧成功」とはせず、完全成功報酬である復旧費用は受け取っていないようです。 それでこの数字はまさに驚異的な高確率と言えます。 しかし、第三者機関の調べではなくあくまでも自社データによる公表値なので、裏付けが出来ていないという意味で★の数を4つとしています。 しかし、万が一虚位の数値であった場合は不当景品類及び不当表示防止法違反となりますから、さすがにウソの情報ではないでしょう。 |
噂その② | キャンセルするとハードディスクを破壊して返却する |
---|---|
噂の真相度 | ☆☆☆☆☆ |
データ復旧を依頼する際、まずは復旧にどの程度の費用がかかるか見積もりを出してもらうことになります。 データ復旧業者は復旧する機器の状況(障害状況、データ容量など)を確認しなければ正確な見積もり金額を出すことはできませんので、見積もりを依頼する際にはデータ復旧業者に機器を送る必要があります。 そして見積もり金額を出してもらった後で、予算と合わないということであればキャンセルをして機器を返却してもらうのですが、デジタルデータリカバリーは見積もり後にキャンセルをすると機器を破壊するというのです。 どういうことなのでしょうか?「断りやがった!コンチキショー!」と、お客さんのパソコンやハードディスクをハンマーで殴ったりして壊しているということなのでしょうか? 常識で考えればそんなことをしてもなんの得にもならないことはわかるので、この口コミは100%嫌がらせ目的の悪評でしょう。 また、中には「キャンセルしたら、データを復旧不可能な状態にぐちゃぐちゃにされた」という口コミもありましたが、デジタルデータリカバリーはデータ復旧をする際、顧客から送られた機器からクローンのディスクを作成し、クローンを元に復旧作業を行っています。 そのため元の機器のデータをいじくるということは考えられません。 よって、こちらの噂も100%ウソの口コミであると断言できます。 |
噂その③ | キャンセルすると、送った機器が梱包されず紙袋に入れて返却される |
---|---|
噂の真相度 | ☆☆☆☆☆ |
見積もりのために送ったパソコンやハードディスクが、キャンセルをすると紙袋に入れられただけの状態で返却されるということです。 そんなことをしたら当然壊れます。流石にこれもあり得ないので100%嫌がらせ目的の悪評でしょう。 ちなみに私も過去に一度、見積もり金額とデータの価値が折り合わなかったためにキャンセルをしたことがありますが、しっかりと緩衝材(プチプチ)を使い梱包された状態で返却されました。(ちなみにキャンセルの場合、返送費用は依頼者負担です。) |
噂その④ | 復旧作業は海外の会社に丸投げしている |
---|---|
噂の真相度 | ☆☆☆☆☆ |
https://www.ino-inc.com/util/tuyomi_g.html 2chや匿名ブログに書き込まれている口コミです。 復旧作業は自社でやっておらず、韓国のデータ復旧業者に丸投げしているという情報ですが、東京築地にある工場において、全て自社復旧をしています。よって、こちらも嫌がらせの悪評です。 築地の工場は依頼者であれば見学が可能です。実際に作業を行っている様子も見ることが出来ます。 私も一度見せてもらいましたが、作業をするためのクリーンルームや情報流出を防ぐための金属探知機ゲートなど、なかなか面白かったです。 かなり前のものですが、Gigazineに現場見学の様子がアップされていますので、築地まで行けないという方はどうぞ。 http://gigazine.net/news/20090807_hdd_data_recovery_ino/ ※記事では「銀座」となっていますが、以前は銀座に工場があったようです。 |
噂その⑤ | 見積り金額に対してゴネれば安くなる |
---|---|
噂の真相度 | ★★☆☆☆ |
見積り金額に対して「高いからキャンセルするなどとゴネれば安くなる」、「最初に提示される金額は顧客の足元をみてぼったくっている」という情報です。 実際に、見積もり金額から安くなるということはあるようです。 ただし、「ゴネれば安くなる」というのは誤りで、「復旧に時間がかかってもよいのであれば、その分安く復旧出来る」ということです。 企業の場合は急いで復旧しなければならないケースが多いでしょうが、個人の場合は急ぎではないというケースもあるでしょう。そういった場合は「時間がかかってもいいから値段優先で」ということを伝えると、期間に余裕を持ったプランの金額も提案してくれます。 間違っても「急いで復旧してほしいけど値段を安くしろ!」ということで安くなるようなゴネ得はないようですので、クレーマーのようにゴネないようにしましょう。 |
噂その⑥ | 他のデータ復旧業者と比較し、復旧費用が高額 |
---|---|
噂の真相度 | ★★★☆☆ |
理由としては、宣伝費用に多額のお金を使っていて、広告費の分他社よりも高い、ということが言われています。 確かに、「データ復旧」で検索をするとリスティング広告の一番上にデジタルデータリカバリーの広告が表示されます。 リスティング広告は最も高い金額を入札した広告が一番上に表示される仕組みですので、そういう意味では他社よりも広告宣伝費に予算を使っていると言えます。 しかし、「広告に金をかけている会社=高い会社」とは限りません。広告を出さなければお客さんは来ませんし、お客さんが来なければ数少ないお客さんの客単価を上げる必要がありますから、逆に復旧費用が高額になることもあります。 バランスの良い広告宣伝はむしろサービスの費用を下げることになります。 また、デジタルデータリカバリーはRAIDやサーバーのデータ復旧、一般的なデータ復旧業者では復旧が出来ない「難易度の高い障害」の復旧依頼が多いですから、そういった意味で客単価は当然高いと言えるでしょう。 データ復旧は見積もり無料の業者が多いので、価格重視の方であれば数社で相見積もりをするとよいでしょう。 |
噂その⑦ | 契約を躊躇していると、「データが消えてもいいのか」と脅される |
---|---|
噂の真相度 | ★☆☆☆☆ |
見積り後、依頼するかどうか悩んでいると、「今すぐ依頼しないと大切なデータが消える」と脅され無理やり契約をさせられた、という内容です。 もし本当ならひどい話ですね。 私は以前、キャンセルしようか悩んだ時に「データは生き物なので、時間が経つことで復旧が難しくなる可能性はある」というアドバイスをいただいたことがありましたが、「脅された」という印象は感じませんでしたし、契約を強引に迫られはしませんでした。 発生している障害の内容にもよると思うのですが、例えばハードディスクに物理障害が起きている状態でそのまま機器を使い続けてしまうとデータが消えるリスクは高くなり、データの復旧はどんどん難しくなります。 また、データ復旧は機器に大きな負担を与える作業であるため、1度目の復旧で失敗した場合、症状が悪化した状態で行う2度目の復旧で成功する確率は極めて低くなります。 恐らくはそういった意味の忠告を「脅し」と誇張して捉えた悪評ではないかと思います。 ただし、担当者によっては営業成績のために強引な営業トークをする人がいないとは断言できません。 明らかに強引な営業トークだと感じた時にはキャンセルをし、他社に相談してみると良いでしょう。 契約をしてしまった後ではキャンセルが出来ませんので、契約前にしっかりと判断しましょう。 |
噂その⑧ | デジタルデータリカバリーで復旧出来なかった機器を他社に依頼すると断られる? |
---|---|
噂の真相度 | ★★★☆☆ |
デジタルデータリカバリーに依頼をして復旧出来ず、他社に相談したところ「デジタルデータリカバリーから返ってきた機器は、復旧不可能な状態に傷をつけられた状態で返却されるので、お断りしている」と言われたという内容です。 噂その②に記載したとおり、デジタルデータリカバリーはクローンディスクを作成してからの復旧となるので、持ち込んだ機器に傷がつくことは考えられません。 他社で断られるというケースですが、デジタルデータリカバリーで復旧出来なかったのなら復旧は難しいということで断っているのだと予想されます。 もし本当に「デジタルデータソリューションは返却する時に傷をつけているから復旧は不可能」と言っている業者が存在するのだとしたら、かなり怪しい業者ですね・・・。 私個人の話ですが、データ復旧に限らず、同業を悪く言う会社にはなにもお願いしないようにしています。 |
以上、デジタルデータリカバリーについてネットで書かれている口コミ・評判の真相についてまとめました。
ネットの口コミは良い評判よりも悪い評判のほうが強く印象に残ります。しかし、ご紹介したように中には悪意のある口コミもあるということを認識し、情報を活用していただければと思います。ご参考までに、実際にデジタルデータリカバリーを利用してみた方のブログもありましたので読んでみてください。