市立病院の医師が「大量離職」、厚生病院と統合へ
岐阜県土岐市が再編案
土岐市が公表した病院事業の再編・ネットワーク化と経営形態の見直しに関する案
岐阜県土岐市は、病院事業の再編・ネットワーク化と経営形態の見直しに関する案をまとめた。市立総合病院(350床)の医師の「大量離職」で外来や救急医療を縮小したため、近隣病院がしわ寄せを受けていた。医師不足による診療制限を解消するため、市立総合病院と同市と隣接する瑞浪市の東濃厚生病院(270床)と「経営一体化を図る」との方向性を打ち出している。【新井哉】
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土岐市の再編案によると、市立総合病院を中心とする半径10キロほどの圏内に8つの病院が集中しており、同市在住者の医療機関の利用は分散している。また、将来の人口減少による歳入の減少、少子高齢化への対応にかかる社会保障費の増加が見込まれており、市に財政的な余裕はない。
市立総合病院については、現在地への移転・開院から29年が経過し、老朽化による大規模修繕が必要で、多額の費用負担が見込まれている。こうした状況に加え、2017年度末には医師9人が離職し、救急受け入れ態勢の維持が困難となった。
9月6日に開かれた同市病院事業改革プラン推進委員会の会合では、委員から「東濃厚生と一緒にならない限り、大学医局は医者を出してくれない」「どの病院も医師の取り合いになっている。早く一病院化にならない限り、どんどん医師は減っていってしまう」などと統合を求める意見が相次いだ。
こうした状況を踏まえ、再編案は、近隣病院と統合し、医療機能を再編する必要性を示している。統合の具体的な方法については、関係者の瑞浪市、東濃厚生病院を運営するJA岐阜厚生連と協議を行う方向性を明記。「JA岐阜厚生連が指定管理者となり、東濃厚生病院との経営一体化を図ることで、両病院間の連携強化、機能分化を進め、東濃中部における医療提供体制を確保する」としている。
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