マイクロソフト社員、およそ1億8000万円を着服しようとし逮捕される。NFLにSurface契約持ち込んだ立役者
トラン、盗った
マイクロソフトの(元)スポーツマーケティング担当ディレクター、ジェフ・トランが、通信不正行為で古巣の予算150万ドル(約1億6900万円)を横領しようとしたとして逮捕されました。トランはさらにマイクロソフトにあった60枚以上のスーパーボウル(NFLの優勝決定戦)のチケットを、無断でオンライン販売し、20万ドル(約2200万円)を懐に入れていたとされます。
トランは、NFLへのSurfaceタブレット導入交渉で重要な役割を果たしました。その縁もあってマイクロソフトには多数のスーパーボウルのチケットを購入し、従業員に配布する予定でした。その一部をトランは横流ししていたということです。
それだけでなく、トランは関係業者を経由してマイクロソフトに対しふたつの不正請求を行ない、うちひとつ(77万5000ドル・約8700万円)がトランの口座に振り込まれたとされます。しかし、もうひとつの請求書に記された67万ドル(約7500万円)の処理が業者内で問題となり、この業者からマイクロソフトに対して何が起こっているのかを問いただされた結果、マイクロソフト社内に不正な請求が認知されることになりました。
トランは問題になった請求データを破棄し、返金作業をする業者に対して自身のことは伏せるよう依頼したとされます。マイクロソフトのスポークスマンは「われわれはトランさんの行為を知ってすぐに雇用関係を終了し、調査判断を法的執行機関に委ねました」と語っています。
報じられるところでは、トランは数日のうちに出廷を命じられるとのこと。米国では、通信不正行為は最長20年の懲役刑が課せられる可能性があります。
出世し大金を動かせる地位についた結果そのお金に目が眩み、せっかく気づいた地位を失う羽目になる事例は、マイクロソフトに限らず国内企業でも時折見かけられます。いくらAIなどが進化したとしても、こうした事件はテクノロジーだけではなかなか防止が難しそうです。