【格闘技】村田、王者の風格 決戦の地ベガスで公開練習 挑戦者と遭遇2018年10月19日 紙面から
【ラスベガス(米ネバダ州)藤本敏和】当地のパークシアターで20日(日本時間21日)に行われるWBAミドル級タイトルマッチの公開練習が17日(同18日)行われ、王者・村田諒太(32)=帝拳=と挑戦者の同級3位ロブ・ブラント(28)=米国=がともにラスベガス市内のジムで体を動かした。同じジムで行ったため、両者がニアミスする場面もあったが、村田は落ち着きを見せていた。 世界屈指のプロモート会社トップランクのジムに緊張が走った。挑戦者と王者が時間差でジムを使用する公開練習。先に練習した挑戦者陣営が知人とのおしゃべりなどに興じていつまでも居残ったため、時間通り来た王者・村田陣営とまさかの対面となったのだ。 だが、風格を見せたのは王者・村田だった。そそくさと荷物をまとめてジムを後にした挑戦者を一見しただけで、悠然と歩みを進める。 「よく見ていないけど僕よりサイズは小さかったかな。公称(村田183センチ、ブラント182センチ)より小さいのは海外の選手にはよくあります」と、村田。落ち着きも、スケール感もはるかに上。思わぬ初対面は王者が圧勝する形だった。 練習自体はストレッチとシャドーボクシングのみの軽いもの。ただ、会場のトップランクジムは感慨深かった。2013年のプロデビュー前にも合宿を行い、プロの体とスタイルを作り上げてきた場所なのだ。 「王者になってから初めて来た。いろいろな事を思い出しますね」と、村田。だが、まだ夢は途中だ。トップランクのボブ・アラムCEOはこの日、改めて来春にも前統一ミドル級王者ゴロフキン(カザフスタン)と東京ドームで対戦するプランに言及。村田も海外メディアの質問に「実現すれば絶対おもしろい試合になりますよ」と、ニヤリだ。王者としてラスベガスでも知名度を増した村田は10・20に勝ち、さらに先へ進んでいく。
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