放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する第三者の機関BPO放送倫理・番組向上機構)が、「2018年9月視聴者から寄せられた意見」を公式サイト上に開した。

 BPOでは、そのに寄せられた視聴者からの意見を抜して紹介しているが、その中にはTVアニメ、特に「深夜アニメ」に対する苦情がたびたび見られる。に性的描写、暴力・残虐描写がある作品について「子どもにはふさわしくない内容だ」という苦情だ。

 そもそも深夜アニメアニメと言っても、子ども向けに制作しているワケではないのだが……と、思わず突っ込みたくなる苦情も多いが、9月にはそういった苦情を入れる視聴者に対し、「深夜アニメ子どもが間違って見ないように深夜に放送しているのであって、それに対して“子どもが見たらどうするのか”という意見を述べるのはおかしい」というド正論な意見が紹介され、ネットでも話題を集めた(参照記事)。

 この意見の影もあったのか、今回の「2018年9月視聴者から寄せられた意見」には、アニメに対する苦情は見られない(ただ、サイト上で開されていない可性はある)。

 その一方、10月から放送がスタートしたTVアニメゴブリンスレイヤー』(TOKYO MXほか)では、第1話から展開されたリョナ描写について、「流石にBPO案件」「通報されても仕方ない」といったが続出中だ。

 最下級モンスターゴブリンのみを狩り続ける「ゴブリンスレイヤー」の活躍を描く本作。蝸牛くも氏のライトノベル原作で、黒瀬浩介氏によってコミカライズ化もされている。

 ライトノベルないしコミックスを一度でもにした人は、「よくアニメ化に踏み切ったな」と感じただろう。すでにアニメにしている人も多いと思うので、詳細な説明はくが、ゴブリンめてかかった冒険者たちが虐殺され、女性については残にも陵辱されるという衝撃的なシーンが1話から展開される。アニメ版については、規制ギリギリと言えるライン陵辱シーンが描かれていた。かなり挑戦的な作品と言えるだろう。

ゴブリンスレイヤー』は決して「ただ、エログロを見せたい」という作品ではないが、リョナ描写があると、どうしても好き嫌いが分かれてしまうため、アニメファンからも「めちゃめちゃ気分悪くなった」「自分にはしんどい」「ごりごりSAN値削られた」というが上がっている。

 もちろん本作を評価するもあるが、BPOに苦情が寄せられている可性は十分ありえる。なお、前回クール放送の『ハッピーシュガーライフ』についても「BPO案件」というが上がっていたが、BPOサイト上に苦情が載ることは最後までなかった。もしかすると『ゴブリンスレイヤー』も免れるかもしれない?

TVアニメ『ゴブリンスレイヤー』公式サイトより