少なくなったら自動注文、IoT機器「スマートマット」本格始動
(株)スマートショッピングは15日、重量センサーを組み込んだIoT機器「スマートマット」を活用した自動購入支援サービスの本格展開を開始した。
※林社長と「スマートマット(写真右下)」
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重量から残数割り出し、設定した量まで減ると自動注文が可能
IoT機器「スマートマット」は、例えばミネラルウォーターなど定期的に購入する消耗品のケースを同機器の上に置くだけで、自動購入サービスを利用できるというもの。機器に積載するだけで、重量から残量・残個数を自動計測し、在庫量・数を管理できる。ユーザーが設定した量まで減った際、自動的にメールやアラート通知、消耗品の発注までができる。
オフィス資材などの在庫管理で活躍、生産性向上や誤発注防止に
テスト販売段階のニーズについては、同社の林英俊社長は「オフィスでのコピー用紙や来客用のドリンク類の在庫管理、工場などでの間接資材の在庫管理などといった用途で利用しているケースがある」と話している。「資材などの発注業務を効率化することができる。生産性の向上や、離職率ダウン、誤発注・数え間違い防止に役立つ」(林社長)と言う。
(※マットの上に自動注文したい商品を積載して利用する様子)
今回、提供がスタートしたのは、耐荷重100kgの「A3サイズ」と、耐荷重30kgの「A4サイズ」の2つ。単3電池4本で駆動・通信はWi-Fiを利用するため、機器はワイヤレス仕様となっている。電池交換は「1年に1回」とし、「初期設定は簡単で、一度設定が済めば1時間おきに重量を計測する」。なお、0度までの動作可能としており、冷蔵庫内でも通信・電池消耗上は問題なく動作するという。冷凍庫内については「電池の消耗が激しくなる傾向があり、現行機での利用は推奨しない」と言う。また、複数台のマットを組み合わせて100kg以上の重量を積載することも可能だ。
1台当たり500円/月~で利用可能
利用料は1台につき月額500~1000円。導入台数に応じたボリュームディスカウントを行い、最安で1台500円から利用できる。初期費用は20万円だが、19年3月末までの導入についてはキャンペーン価格として5万円としている。
パートナー企業による「スマートマット」の販売も同日からスタートした。KDDI(株)は、通信回線つきのIoTサービス「KDDI IoTクラウド~マットセンサー~」の提供を開始している。オザックス(株)は、クラウド型ウェブ受発注サービス「MultiPlatformSystem(マルチ・プラットフォーム・システム)」のオプションとして「スマートマット」の提供を開始している。
グラム単位で計測する小型マットなど、ラインナップ拡充にも意欲
スマートマットの今後の展望については、「重量センサーを活用した自動購入を提供できるIoT機器は、海外にも例がない。通信の部分のハードルはあるが、今後は積極的に海外に展開していく」(林社長)と言う。
「現在はマット型2サイズのラインアップだが、今後はグラム単位で計測できる小型タイプや、折り畳みコンテナ一体型、物流用パレットと一体型、家具と一体になったもの、キッチンと一体型など、さまざまな形状を用意したい」としており、BtoC向けの普及にも意欲を見せている。
今後は企業とのコラボレーションも積極的に行うという。「例えば、BtoB・BtoC問わず、通販企業が販売する定期購入品の容器などに、当社のサービスを組み込むこともできる」(林社長)と話している。
(古川寛之)