殺害「音声テープ」の“有無” 「生きたまま切断か」 記者殺害疑惑
「サウジアラビア人記者は、生きたまま切断された」と伝えられる中、いまだ全容が見えない行方不明事件。残された婚約者も、悲痛な思いを口にした。
カショギ氏の婚約者のハティジェ・ジェンギズさんは、「結婚の手続きを済ませるために、彼はトルコに来ました。何があったかご存じの通り、それ以来、本人と連絡が取れていません」、「ご存じの通り、悲しいです。とても悲しい...」などと話した。
トルコ人の婚約者を残し、消息不明になっているサウジアラビア人のジャマル・カショギ記者。
16日、トランプ大統領を支持するFOXテレビのインタビューに応じたアメリカ、トランプ大統領。
トランプ大統領は「わたしの見解では、(サウジの)国王や皇太子が(殺害を)知っていたかどうかだ」、「もし知っていたら、それは良くないことだ」と述べた。
蜜月関係にある、サウジへの配慮ともとれる発言も。
トランプ大統領は「総額1,100億ドル(およそ12兆円)の(武器購入の)投資をしてくれる。50万人のアメリカ人の雇用だ」、「注文を取りやめろという声もあるが、そんなことをしたら、自国の首を絞めることにならないか?」などと述べた。
またAP通信の取材に、トランプ大統領は、「“推定有罪”は好きじゃない」と話し、サウジ批判を避けた。
サウジ政府が、「偶発的な事態として、幕引きを図る可能性」も浮上する中、ワシントン・ポストは、トルコ当局が、サウジの暗殺チームとされる15人のパスポート情報を公開したと報道。
さらに、ニューヨーク・タイムズは、「うち1人は、ムハンマド皇太子の護衛であると、トルコ当局が特定した」と伝えている。
また、カショギ記者が死に至った状況とされる、より踏み込んだ報道も。
イギリスの中東専門ニュースサイト「ミドル・イースト・アイ」は16日、トルコ当局者の話として、カショギ記者が、サウジ総領事館内で殺害された時のものとされる音声の内容を紹介。
それによると...。
トルコ当局者
「カショギ氏は、テーブルの上で生きたまま切断され、7分で死亡した」
その際、カショギ氏に対する尋問は、一切なし。
正体不明の薬品がカショギ氏に注射され、すさまじい叫び声はやんだという。
さらに音声には、暗殺チームの1人で、法医学を専門とする男のものとされる会話の内容も。
法医学専門家の男
「わたしは、解体する時に音楽を聴く。君たちもそうしなさい」
アメリカのCNNは、トルコ当局者の話として、「遺体はバラバラに切断された」と伝えた。
カショギ氏は9月、「ファイサル国王時代は、エルサレムやパレスチナの問題を重要視していたが、今は違う」と述べていた。
サウジの現体制を批判するコラムを、ワシントン・ポストにたびたび寄せていたカショギ記者。
ワシントン・ポスト カショギ氏の記事より(2017年9月18日)
「サウジアラビアは、弾圧的ではなかった。今は耐えがたい」
サウジアラビア皇太子の関与が取りざたされる今回の事態。
なぜ、カショギ氏は狙われたのか。
さまざまな情報が錯綜(さくそう)する中、サウジをたったアメリカのポンペオ国務長官は、次の訪問国、トルコに到着。
カショギ記者の失踪をめぐり、エルドアン大統領らと意見交換した。