Loading 81b424ebf5b28b6979c5bfbadb4fe3d86654abdce81e3c0259cc91c3ecd00497
特集!あの人の本棚
307.

心屋仁之助   (心理カウンセラー)


運がいい人と悪い人。両者の決定的な違いとは!?【心屋仁之助さんインタビュー(1)】

心屋仁之助
40代で大企業の営業管理職から、全くの異業種である心理カウンセラーとして起業した心屋仁之助さん。独自の「言ってみる」カウンセリングスタイルはテレビで話題になり、著書累計は440万部を突破!

今や心理カウンセラーとして絶大な人気を誇る心屋さんですが、過去には様々な悩みや葛藤を抱え不遇の時代もあったのだとか。

今回のインタビューでは、ここ十数年で生き方が激変したという心屋さんに『人生を好転させるために必要なこと』について3回にわたってお話いただきました。
運がいい人と悪い人。両者の決定的な違いとは!?【心屋仁之助さんインタビュー(1)】

職業を変えても、人生ってあんまり変わらない

―― 心屋さんは大企業の管理職として約20年勤務されていたそうですが、40代でなぜカウンセラーに転身されたのでしょうか?

心屋仁之助(以下、心屋) 仕事のし過ぎで、家庭を壊してしまったんです。当時はそれこそ朝から晩までずっと働いていて、仕事が全てやったんですよね。

仕事が全てということは、認められることが全てだったんです。「自分は頑張らないと評価されない人間だ」と思っていたので、結果を出して他人から褒めてもらったり、喜んでもらったり、そういう周りの評価を集めるために必死だったんです。

でも、そうやって自分の外側ばっかり力を注いでいたら、家庭の中がボロボロになっていって……それで壊しちゃったんです。

このことがキッカケでカウンセリングを学びカウンセラーになったわけですが、でもね、職業が変わっただけでは人生ってあんまり変わらないんですよ。

職業が変わることが、人生が変わるポイントではなくて、職業に関わらずこの「頑張り屋さんというマインド」が変わった時が、人生が変わるポイントだったんです。

3冊目の本が16万部のベストセラーに!本が急に売れた不思議な出来事

―― どんな出来事がキッカケで、心屋さんのマインドは変わっていったのでしょうか?

心屋 カウンセラーとして起業してからも、必死に働いていたんですよ。でも頑張っているわりには、そんなに結果が出なかったし、本を出版してもあんまり売れなかったんです。

でもね、ある時自分のマインドを変えたら、急に売れ始めたんです。

『人間関係が「しんどい」と思ったら読む本』が一番最初に売れた本なんやけど、最初はアマゾンキャンペーンとか販促活動を一生懸命やっても、あんまり売れなかったのね。

人間関係が「しんどい」と思ったら読む本

『人間関係が「しんどい! 」と思ったら読む本』 心屋 仁之助
人間関係が「しんどい! 」と思ったら読む本 (中経の文庫)
人間関係が「しんどい! 」と思ったら読む本 (中経の文庫)
作者 心屋 仁之助
出版社 KADOKAWA/中経出版
出版日 2014年04月26日

ところが意識をちょっと変えたら、出版して半年後ぐらいに急に売れだして、16万部ぐらいまで売れたんですよ。

―― 意識を変えただけ? それはいったいどのように......

心屋 ある日、出張で大阪へカウンセリングに行っていたんですが、仕事が終わって夜ごはんでも食べに行こうと思った時に、誘える人間がいないことに気づいて。なんて寂しいヤツなんだと思って、ちょっと落ち込んだのね。

落ち込んだ瞬間に、もっと落ち込もうと思って、ホテルの部屋の電気を全部消して、布団をかぶって、自分の悪い所を書き出していったんです。

「自分はあれもできない、これもできない、こんなミスをした……」って幼少期までさかのぼって紙に書き出して、なんで自分はダメな人間なんだ、つまらない人間なんだって徹底的に責めたのね。

そしたら、沈んでくるわけよ。でもね、まぁ、やってみたら分かるんですけど飽きてくるんです。

―― 確かに飽きますね(笑)!

心屋 結局、数十分ぐらいだったと思うわ、全部書いても。今日は徹底的に落ち込むぞと思って、電気を消してやってたのに。それに、「でもなぁ、これもできるしなぁ。こんないい所もあるしなぁ」っていい所もあがってくるわけ。

アカン、アカン!今は落ち込む時間だからって悪いところを書き出しても、いい所がポコポコあがってくる。

その時に、「確かにダメな所もいっぱいあるけど、いい所もあるやんか!」と気づいたんです。

それで、「もういい!今までずっと、自分はダメな人間だと思って生きてきたけど、そんな風に生きるのはもうやめよう!」と意識を変えて、本を売るための活動を一切やめたら、なぜか本がバーっと売れ始めたの。

自分の大前提が変わると、現実は180℃変わる

―― 意識を変えただけ、ですよね!? 不思議ですね。

心屋 不思議でしょ!? その後、僕の中でまた変革期があったんですよ。

2011年に断食に行ったんです。当時、僕は今より10キロ太っていて、数日間食事を食べないなんて絶対嫌だったんですけど、友達が予約をとってきよって。行ったら、死ぬほど苦しかったの。

もうね、頭痛いし、力出ないし、動けないし、重度の風邪をひいたみたいだったの。

もうだめだ、もうだめだって思っていたら、あることに気づいたんですよ。

当時はすごくご飯が食べたかったのだけれど、それは体が脂肪を減らしたくなかったから。でも、脳が食べろと指令を出しているのに食べなかったら、体に蓄えた脂肪を使うようになって痩せ始めたの。

その体験をした時に、思ったわけよ。

ちょっと待てよ。自分には魅力が「ない」、人気が「ない」と、一生懸命集客をしたり、全国津々浦々出向いてセミナーやカウンセリングをしたりと、お客さんに媚を売って仕事をしてきたけど、もしかして「ある」んじゃないかと。

体に脂肪が「あった」のに、「ない」とカン違いしていたように。

それ以来、地方でやっていた仕事を全部やめて、自宅がある京都に引きこもったんですよ。東京や大阪での大型セミナーもやめちゃったから、収入が1/3ぐらいになる覚悟だったんやけど、でもフタを開けてみたら、逆に全国から京都へお客さんが来てくれるようになって売上も数倍になったんです。

そこで、自分の大前提がひっくり返ったんですよ。

僕は今までの人生の大前提が、自分は魅力がない、能力がない、人気がない「ないない尽くし」だと思い込んでいた。人気がないから楽しいことをして人を集めよう、能力がないから頑張って能力を上げよう、魅力がないから何か素晴らしい物を提供することでやっと人に認めてもらえる。自分はダメな人間だから、頑張らないと人には受け入れてもらえないという大前提があったの。

ところが、僕は魅力があるんだから、そんなに頑張らなくてもいいんだって自分の前提をひっくり返したら、お客さんがいっぱい来てくれるようになった。

だから、「何をしたか」より、「自分への意識」がひっくり返らないことには、人生って変わらないのよね。

自分のことをダメな人間と思っているか、自分は素晴らしい人間と思っているか、これによってね、人生は180℃変わるってことなんですよ。

―― なるほど。でも、それまで自分はダメな人間だと思っていた人が、その意識を急に変えるって難しいのではないですか?

心屋 僕の場合、自分はダメな人間だって思う方が、もう40年以上やってきているから馴染み深いわけ。だから、朝起きたらまた元の自分に戻っているの。でもこれを繰り返している間に、自分で分かるわけよ。また昔の自分に戻ってるって。だから気づいたら、手動で戻せるようになったんですよ。

それを続けていたら、自分は素晴らしい人間なんだって思う時間が増えていったんです。

頑張っても報われない本当の理由

『頑張っても報われない本当の理由』 心屋 仁之助
がんばっても報われない本当の理由 (PHP文庫)
がんばっても報われない本当の理由 (PHP文庫)
作者 心屋 仁之助
出版社 PHP研究所
出版日 2017年07月04日

頑張らない成長論

『頑張らない成長論』 心屋 仁之助
がんばらない成長論
がんばらない成長論
作者 心屋仁之助
出版社 学研プラス
出版日 2016年03月01日

運がいい人と悪い人の決定的な違い

心屋 自分への意識が変わって以来、本も売れるようになったし売り上げも上がったし。どんどん運が良くなっていったんですが、2012年からはテレビに出はじめたんですよ。

―― どういった経緯で、テレビに出演するようになったんですか?

心屋 本が売れて印税が入ってきたから、社会貢献的なことをした方がいいかしらと思って、無料のグループカウンセリングを全国でちょこちょこ開催し始めたの。それをやっていた頃に、日テレのナイナイアンサーという番組から「テレビに出ませんか?」って連絡があって。

どうやらリサーチャーと呼ばれるテレビ関係の人たちが、僕を見つけてくれたらしいんだけど、なぜ僕を選んだのか理由は分からないんです。僕よりももっと有名な心理カウンセラーだっているしね。

もしかしたら、変わった出演者を集めていたから、僕を見つけたのかもしれないけど、なぜ僕だったのかは知らん。運が良かったんです。

でも、運についていうとね。運が悪かった頃の自分と今の自分には、自分への意識を変えたこと以外に、もう一つ決定的に違うところがあるんですよ。

―― えっ!? それは、何ですか?

心屋 心が閉じているか、開いているかの違いだけなんです。

じゃあ、心が閉じているか開いているかの違いは何かというと、自分の弱みを出せるか出せないか。

自分を大きく見せようとしているか、素晴らしく見せようとしているか、いい人に見せようとしているか。その違いなんですよ。

僕もそれまでは、自分はちっちゃい人間だと認めたくなくて、自分をよく見せようと必死で、鎧を着て隠してきたんやけど、鎧を着て隠していたことが後でバレた方がカッコ悪いって気づいちゃったの。

それに最初から「自分ちっちゃい人間なんです」って弱みを見せる勇気さえ持っていたら、すごくラクになれるし、人間関係も仕事もうまくいく。自分の恥ずかしいところを、楽しく笑えるか笑えないかによって、人生って全然違ってくるんです。

自分の弱みを見せられることと、大前提が「自分は素晴らしい人間だ」と思っていること。

そうやって、いい所も悪い所もどちらも認められるようになって、ありのままの自分になれたら、運ってまわるような気がします。

▼インタビュー第2話はこちら
2年間で200万部越え!本が爆発的に売れた理由とは!?

強がらない。

『強がらない。』 心屋 仁之助
強がらない。 (角川新書)
強がらない。 (角川新書)
作者 心屋 仁之助
出版社 KADOKAWA
出版日 2018年09月08日
ビジネスの一覧 インタビューの一覧

コメント

コメントを書く・見る 0

プロフィール

心屋仁之助
心屋仁之助
心理カウンセラー

兵庫県生まれ。「自分の性格を変えることで問題を解決する」という「性格リフォーム心理カウンセラー」として活動。19年間大手企業で働き管理職まで務めたが、退職。その後、自分や家族の問題がきっかけとなり、心理療法を学び始める。現在は京都を拠点として、全国各地での講演活動やカウンセリングスクールを運営。また、2015年より音楽活動を本格的に開始。現在も音楽活動を積極的に行っている。

ライターについて

Writer 13
鮫川佳那子(さめこ)

NY在住ライター/ニューヨーク女子部♡主催。青山学院大学フランス文学科卒業後、サイバーエージェントに入社し広告制作・メディア編集・イベント企画運営に携わる。2015年より夫の海外転勤で渡米し、現在はニューヨークの新聞をはじめ様々な媒体でコラムや、海外で活躍する日本人のインタビュー記事を執筆。またNY在住の20~30代女性が約600名所属するコミュニティ「ニューヨーク女子部♡」を主催し、イベント企画運営も行っている。

プロフィール

心屋仁之助
心理カウンセラー

兵庫県生まれ。「自分の性格を変えることで問題を解決する」という「性格リフォーム心理カウンセラー」として活動。19年間大手企業で働き管理職まで務めたが、退職。その後、自分や家族の問題がきっかけとなり、心理療法を学び始める。現在は京都を拠点として、全国各地での講演活動やカウンセリングスクールを運営。また、2015年より音楽活動を本格的に開始。現在も音楽活動を積極的に行っている。

心屋仁之助 さんの本棚

注目記事

月間ランキング

S