(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年10月15日付)

ジンバブエ、コレラ流行で非常事態宣言 1週間で21人死亡

ジンバブエの首都ハラレにある病院で、コレラ患者の処置に当たる看護師(2018年9月11日撮影)。(c)Jekesai NJIKIZANA / AFP〔AFPBB News

 ジンバブエが新たな経済危機に見舞われている。現地通貨は暴落しており、先週の買い占め騒ぎの後、商店の棚は空っぽになっている。

 ジンバブエの複雑な通貨制度――米ドルの裏づけがない電子マネーと独自の代用通貨「ボンドノート」が急激に価値を失っている――の問題を解決しようとする試みは、政府からの矛盾したメッセージによって阻害されている。

 直近の危機は、ハイパーインフレの記憶を呼び覚まし、ジンバブエは「開店営業中」という新政権のメッセージを損ねている。

 絶望的なドル不足のなか、現地のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店舗でさえ、鶏肉を買う資金を確保できず、店を閉めることを余儀なくされている。

 問題が始まったのは今月、ムトリ・ヌクベ財務相が銀行口座を、「良い」ドルの入った口座と「悪い」ドルが入った口座の2タイプに分けると発言した時のことだ。

 「良い」口座は、何百万人もの在外ジンバブエ人が送金してくるドルの流入に裏づけられている。

 一方、「悪い」口座には、「リアルタイム・グロス・セトルメント」の略でRTGSとして知られる電子マネーが入っている。

 ジンバブエでは、ハイパーインフレを伴う経済崩壊後に政府が現地通貨ジンバブエドルを廃止して以来、もう10年近くドル化経済となっている。