パーソナリティ障害 ブログランキングへ これは、自己啓発やカルト宗教にハマりやすい人の傾向だと思う。

自己啓発をしようと思うという事は、「自分をもっと高めよう、ダメなところを治したい」等、健全な事が多いような気がする。
しかし、少し方向を間違えるととんでもない事になる。モノには限度ってもんがある。頑張っても頑張っても出来ない事はそれ以上無理してやることないし、きっと他にできる事があるはずだ。

怪しげな自己啓発や宗教はそんなところを上手く利用しているのだろう。客観的に見て出来ていない事を「スゴイじゃないか。もうすっかり君も〇〇だね」って感じで。

ある具体例を挙げよう。
 私の親しくはないが近況を知れる知人(会社経営者)に自称「超速読できる人」がいる。その速読ヤロウは何と月に1万冊も本が読めると言っている。 そして、今のところ、その彼の会社は自己啓発の甲斐あって?なのか、業績は悪くなさそうで、毎日のように本を本当に何十冊、いや何百冊も買っている。これは、本当の話です。フィクションではありません。
 そして、毎日のように読書や速読についてのコメントと動画をアップロードして、「こんなに本が読めちゃう俺って半端じゃ無いでしょ?」と速読をアピールしている。速読している時の動画を見る限り一冊、1~3分以内で読んでいる・・・、というかページをめくっている。また、それを社員にも強要して「彼らもできるようになった。みんなできるようになるよ」と謳っている。
 
 ただし、一般常識として、月に数千冊の本を「読む」という事は不可能だ。 もし、そんな事が可能であったらの仮定を考えてみれば分かる。そんな事ができたら、何だって出来そうな気がする。そして、速読は誰でもできると言っているから、尚一層、質が悪い。確かに素早く書籍を読む事ができたら、仕事も勉強も並外れた結果が出せるだろう。しかし、そんな事は出来ないから、みんな地道に頑張っているはず。万人ができるようなノウハウだったら、なぜ、教育機関(学校など)や企業研修に取り入れないのだろうか?答えは決まっている。「速読ができるようになった」という、確固たる実績はないのだ。もし、10人に1人でも速読をマスターできるノウハウがあっただけでも、おそらく、教育関係の機関はそのノウハウ研究して一般化しようとするじゃないだろうか。

 話しはその速読経営者に戻るが、彼のSNSの投稿は日を追うごとに妄想に近い狂気を帯びてきている。「これから大不況が起る。これは、真実だ。みんなは信じようとしないが、もう誰に止められない、大不況が日本を襲ってくるんだ。」→大不況が起る根拠を示してくれ。大不況になる未来の事が予言できてたら、株を空売りして大儲け出来そうじゃないか?それはやらないの?って聞いてみたくなる。

 また、彼のSNSの投稿の中で自己愛の強さというか妄想性のナルシズムを感じさせる怖い文章があった。「僕が速読をしていると、そんな事はできるはずがない、と言われる事がよくあります。でも、僕はそう言われる事が嬉しいんです」と。そして、自分を過去の偉人に準(なぞら)えて、「キリスト、ニュートン、ゴッホやシェイクスピアのように生前は評価される事なく、むしろ迫害されるような人達がいたように、僕の言っている事やしている事はもっと時間が経たないとみんなには理解されないだろうな」と書かれている。

part 2に続く