Appleは、ユーザーの声をSiriが識別し、iPhoneなどを操作できる技術の特許を取得しました。声によるユーザー認証として活用されれば、セキュリティや使い勝手の向上が期待できそうです。
Siriが声を認識、持ち主にだけ反応
Appleが特許を取得したのは、話しかけられた声をSiriが認識し、持ち主の声だけに反応する技術です。この特許は、Appleが2016年に申請し、2017年に米国特許商標庁(USPTO)が内容を公開していました。
「声認証を用いたデバイスへのアクセス(Device access using voice authentication)」と題された特許申請書には、話しかけてきた声がユーザーのものかを認識した上でSiriが応答する技術について記されています。
Apple、声紋によるユーザー認証を計画?
Appleは、ユーザーの話し方や声質を分析し、人間の声を構成する周波数をモデル化した「声紋」を使ってユーザー認証を行う計画があるのではないか、と米メディアAppleInsiderは指摘しています。
Appleは、製品に指紋認証、顔認証といった生体認証を積極的に採用していることから、次の段階として声紋認証を用いる可能性はありそうです。
声で認証に失敗したら他の認証方法を使う記述も
特許申請書の中で、声によるユーザー認証の用途として、iPhoneのロック解除については言及されていないものの、ユーザーの声を識別して命令に応じる技術についての記述がみられます。
この場合、声での認証に失敗した場合は、生体認証やパスコードによるユーザー認証を要求すると説明があります。この処理は、指紋や顔による認証に失敗した場合と同様です。
セキュリティや使い勝手の向上に期待
最近も、Siriを使ってiPhoneのロックを解除し、保存された写真を盗み見されてしまう可能性のある脆弱性が指摘されています。もし、Siriがユーザーの声にだけ反応するようになれば、こうしたセキュリティリスクも回避できることとなります。
また、家のリビングなどに設置して複数のユーザーが利用することが想定されるスマートスピーカーのHomePodに声認証が採用されれば、話しかけたユーザーの好みに合わせた音楽を再生したり、そのユーザーの予定だけを読み上げる、といった使い方も可能になりそうです。
Appleは数多くの特許を取得していますが、その全てが製品化されるわけではありません。
とはいえ、声によるユーザー認証はiPhoneやHomePodのセキュリティと使い勝手を向上させてくれそうで、製品化に期待したいところです。
Source:USPTO via AppleInsider
(hato)