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米国時間の2018年10月14日、データ分析に特化したTeradataの年次イベント「Teradata Analytics Universe 2018(以下、TAU)」が米国ネバダ州ラスベガスで開幕した。
データウェアハウスをはじめ、データ分析に関連する製品を長年扱ってきた同社。GoogleやMicrosoftなどのライバルが次々とデータ分析市場に参入し、データ分析自体が企業のIT部門から業務部門にまで裾野を広げる中、基調講演では、あえて「大規模なデータを抱える企業のニーズに特化し、顧客がデータ分析を確実な経営判断や利益につなげられるまで手厚くサポートする」という路線を打ち出した。
「Stop buying “analytics”, it's time to invest in answers(『データ分析』自体を買うのはやめよう、これからは答えに投資する時代だ)」
10月15日に行われた基調講演では、社長兼CEOのVictor Lund(ヴィクター・ランド)氏やCOO(最高業務責任者)のOliver Ratzesberger(オリバー・ラッゼスバーガー)氏が再三にわたって上の言葉を繰り返した。
2018年10月に入り、本社のカリフォルニア州サンディエゴへの移転(旧本社はオハイオ州マイアミズバーグ)や新ロゴの発表など、本格的な刷新に動き出した同社では、新たなデータ分析のビジョンとして「パーベイシブ・データ・インテリジェンス(Pervasive Data Intelligence)」を提唱している。
これは、分析プラットフォーム「Teradata Vantage」を中心に、金融やヘルスケア、運輸など、各産業分野の専門知識を備えたコンサルタントやアナリストが顧客の細やかなサポートに当たる他、AWSなどのクラウドベンダーやTableauなどのBIベンダーと連携して、より迅速な分析やデータのシンプルな可視化ができる環境を整え、顧客のデータ分析を支援するものだ。
基調講演で紹介された事例からは、「ある程度の費用をかけてでも、大規模なデータ分析から確実な結果を引き出す」という姿勢がうかがえる。例えば、顧客の1社であるカンタス航空では、年間の全フライトのデータを分析することで、燃料費を2%削減したという。
「今や世の中にはデータがあふれ、誰もが手軽に分析できる時代だ。しかし、膨大なデータを抱えて分析ソリューションに数百万ドルを費やしながら、当初期待していた知見を引き出せずにいる企業は多い。われわれのターゲットは、そうした悩みを抱える全世界のトップ500に入るような大企業だ。彼らのデータ分析を確実な利益につなげることで、差別化を図っていく」(ラッゼスバーガー氏)
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