こんにちは!ささやまのどかです。
子供に教えてもらった本の1つ
青い鳥文庫で「若おかみは小学生!」という全20巻の本があります。
今小6の長女が、低学年か中学年の時に大好きでよく読んでいて、私に教えてくれました。
長女「ママ、この本面白いんだよ~。さすが青い鳥文庫♪」ってな感じで。(彼女は講談社青い鳥文庫の大ファンでもあります。私は講談社さんのまわしもんではありません。)
私 「へ~。どんなところが面白いのですか?」
長女 「えー、そうですね!同じ小学生(6年)の主人公が、若おかみとして頑張って成長する話がまず面白いのと、周りのキャラクターが良いところ。あと幽霊としゃべったりっていうファンタジー感があるのがワクワクしていいですね!うん!」
私はその時“ふ~ん、そうなんやぁ”位に受け取っていましたが、今振り返るとなかなかちゃんとポイント押さえてます。
2018年4月から、日曜の朝にテレビアニメが始まったので子供たちと一緒に楽しく観ていました。 ところが9月に放送終了。寂しい。
ある日はてなブログのトップ画面をボーっと見ていると、有名なはてなブロガーさん達が「若おかみは小学生!」の劇場版を絶賛しているあつい記事を見かけたんですね。私はテレビも見たし映画はもういっかと思っていたんですが、“これは子供たちと行きたい!ハンカチ持って行かねば!”と思いました。
10/13土曜日の夕方、「若おかみは小学生!」の上映期間が延長されていたので、なんとか観ることができました。
その映画の感想を中心に書こうと思います。
私はネタバレせずに語るのって無理なので、これ以降はネタバレ含まれると思います。ご注意ください!
あっ。ちなみに劇場版は初めて観る大人も子供も楽しめる作品になっていました。
子連れの方も多いけど、成人男性のグループやご年配の方も見かけたので、お客さんの年齢層は幅広かったです。
前置き
これは私の個人的な思いなんですが、年齢ある程度いってしまうと、どんな作品もまっさらな状態では良くも悪くも観れないんだなぁと思いました。
私はただでさえ懐古趣味的なところがあるので、昔感動した自分の中のベスト作品は昔の思い出の方が勝ってしまって、それを超えられないんですよね。
だから、あ~、この場面はあの話を思い出すなぁとか、勝手に色々ひっつけて観ちゃう。
まぁそれも又楽しいんですけどね。子供が映画を観た後の余韻だけは邪魔しないよう気をつけたいもんです。
そしてやっぱり、いい作品って自分の昔の体験やら色々思い出して心動かされます。
感想
ストーリーの割にカラッと明るい作風
両親を事故で亡くした主人公、小学6年生のおっこちゃんが、おばあちゃんの旅館の若おかみとして修行を始めるお話です。
重たい始まりの割には、コメディっぽい場面も多く、明るくカラッと描かれています。
おっこちゃんの明るいキャラクターや、周りの個性的なキャラにも救われています。
事情があって、子供が早く大人にならなければいけない状況
おっこちゃんは子供らしい可愛い女の子ですが、原作でも“年の割にはしっかりしてると言われる”と書かれています。そりゃあそうでないと、両親の死後すぐに若おかみ修行なんて普通は出来ません。
私が子供の頃から大好きなアニメに「じゃりン子チエ」があります。
これまた、事情があって子供のうちから働くことになった小学生のお話ですが、笑える場面がたくさんあって大阪の下町が描かれていて、それでいて泣ける話がたくさんちりばめられた素晴らしい作品です。
ある場面で、チエちゃんのお母さんがこんなセリフを言うんですよ。
「パチンコの景品で、チエはみつるさんの赤ちゃんにプレゼントしようとミルク缶を選んだでしょう?そんな気がきいてしまうあの子の大人びた部分が不憫で、母親として申し訳なく思えてしまうんです…。」
言い方は違ったかもしれないけど、そんな内容のことです。
何が言いたいかというと、そういう健気な少女に大人はどうしようもなくキュンときて切なくなります。
そして誰しも、タイミングは違うにせよ、子供から大人にならないといけない状況を体験してきているのでどこか共感するところがあります。
「若おかみは小学生!」を観て思い出す作品といえば「魔女の宅急便」ですが、(ウリ坊たち幽霊の存在はジジと重なって見えます)、ピーターパンに出てくるウェンディなんかも私は思い出しました。大人になりかけの12歳位の女の子というのは、どこか危うくて魅力的でキラキラしているもんですね。類似的な意味合いではなくて、どの作品も素晴らしい物語だと思います。
昔ながらの日本の宗教観「全てを受け入れる」
「花の湯温泉は誰も拒まない。全てを受け入れて癒してくれる。」これが映画のキーワードになっています。
日本の神道と似た宗教観に感じました。色々な八百万の神様がいて、どんな神様も、全ての価値観も受け入れる、否定しない、といった感覚。昔ながらの日本を感じます。
頑張りどきと覚悟
誰にだって現実を受け入れて頑張らないといけない時が、人生に数回訪れるのではないでしょうか。だからこそ、誰の心にもおっこちゃんの頑張りが心をうつのだろうと思います。
年齢の割にしっかりしたおっこちゃんは、私には最初からそういう覚悟ができているように見えました。でも本当は違いました。まだ両親の死に実感がもてず、受け入れることができていなかったんですね。何度も、本当は両親が生きていたという夢をみます。小学6年生で両親が亡くなるという現実はあまりに辛いことでした。
最後の、本当の覚悟と決意のこもったおっこちゃんのセリフにしびれます。
懐かしさ
若おかみ修行なので、日本の作法も学びます。畳のへりは踏まないとか、子供の頃教わったなぁなんて懐かしい気持ちになりました。
そして温泉街の風景。私は有馬温泉を思い出しましたが、たぶん誰もが自分とゆかりのある温泉を思い出すのではないでしょうか。なんとも懐かしく美しい風景なのです。
温泉街での横の繋がりも感じさせます。その街では温泉街を盛り上げようと皆で協力してるんですね。
これまた自分の思い出話で恐縮ですが、有馬温泉で昔に夫が長女に筆を買ってあげたことがありました。筆を持つ先端からお人形が飛び出る細工をほどこした美しい柄の「有馬人形筆」です。ところが有馬温泉で火事がおこって、そのお店も焼けてしまいました。その後私達が有馬温泉に訪れて、周りのお店の方に有馬人形筆のお店のことを聞くと、地元の皆で支援をしている最中とのこと。ホッとして心があたたかくなりました。
そんな地元の繋がりっていいなぁと思うんですよね。
おっこちゃんのライバル的存在、真月という同年代の女の子のセリフで「ここでは皆、夏休みは子供も家の手伝いをして働くのよ。」というようなのがあるんですが、それもまたすごいなぁと感じるし、おっこちゃんの新しい環境がそういう所で良かったなって思えます。
そして鯉のぼりが空に連なる風景。
なんとも美しく、またそれを見て帰ったであろう春の屋旅館のお客様、あかね君のことを想像すると、おっこちゃんの嬉しさを一緒に感じてしまいます。
テレビアニメや原作と比べるのも楽しい
露天風呂プリンが出来るまでの経過も、もっと試行錯誤した物語があって面白かったんですよ~。
あと、真月さんのクセである「照れくさい時に耳を触る」のが映画でもちゃんとでてきて、でも映画ではその説明は無かったと思うので、長女と“本当は嬉しいんだよね~”と映画館でささやき合うのも楽しかったです。テレビと原作では美陽ちゃんが説明していました。
それとそれと、テレビと原作にはおっこや真月さんの恋バナも出てきます!映画を観て興味をもった子供さんには、ぜひ本も読んでほしいな。
原作の令丈ヒロ子さんのあとがき
私は作者のあとがきを読むのが好きで、作者の令丈ヒロ子さんのあとがきも人柄がうかがえて面白かったです。
真月さんがおっこちゃんに 「お客は年寄りにも子供にも気を遣うわ!」っていうセリフがあるんですけど、作者さんの実体験なんだとか。私も同じことがあって、古い旅館に泊まった時に、かなり高齢の仲居さんが布団を敷こうとしている姿をみて、思わず「自分たちで敷くからいいですよ」と言ったのを思い出しました。なんだか申し訳なくて。でもそれも良い思い出になっています。
あと作者さんの子供時代の話なども書かれていて、面白いんですよ。
その他
他にも、長女が好きなキャラ真月さんのことや、グローリーさんみたいなお姉さんは女の子なら皆ほしくなるよねって事や、おっこの声優さん小林青蘭ちゃんが良かった!みたいな話も書きたかったんですが、長くなったのでこのへんで。
最後に、長女は「若おかみは小学生!」と「黒魔女さんが通る」のコラボ映画も観たいらしいです!関係者の方よろしくお願いします!本は出てるんです。
ちなみに私がビジュアル的にドストライクで好きなのは美陽ちゃんです。いたずらっ子で妹思いの、ちょっとツンデレ入った可愛い幽霊さんです。下の絵は一応飛んでるところを描いたものです。頑張ったけどなんかちょっとちゃうねんなぁ。まぁいっか。