資生堂は15日、9月に取りやめた歌舞伎などの舞台用化粧品の生産を再開すると明らかにした。愛用する歌舞伎俳優らから、再開を求める声が相次いでおり、関係者は胸をなで下ろしている。
生産再開するのは、歌舞伎や日本舞踊の化粧に使われる「粉白粉」や「紅」など5品で、価格は540~864円。1973年から取り扱っていたが、売り上げが限られていたため、9月に生産を終了した。
だが、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんは「みんな困ってます。なんとかならないものですかね」とブログで窮状を訴え、市川笑野さんも「伝統芸能を支える品物です!」とツイッターに投稿するなど、歌舞伎界から生産再開を求める声が高まっていた。
市川笑野さんによると、歌舞伎座などを運営する松竹に資生堂から「日本の大事な伝統文化をしっかり支援させていただきたい」と生産再開の連絡があったという。〔共同〕