Photoshop CC 2019 新機能「コンテンツに応じた塗りつぶし」で、なんでも秒速で消す方法
カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された Adobe MAX 2018 にて、主要アプリのメジャーアップデートが発表されました。Photoshop CCでは、新機能「コンテンツに応じた塗りつぶし」が追加され、より直感的にな操作が可能となり、より細かなコントロールに対応できるようになりました。
今回は、実際にPhotoshop CCの新機能「コンテンツに応じた塗りつぶし」をつかって、さまざまなものを手軽に消す方法をご紹介します。適用したいサンプリング範囲を微調整でき、より高度で複雑な写真にも対応でき。1分以内の短い作業時間で、魔法のような驚くべき加工が可能となっています。
Photoshop
CC 2019
“The creative world runs on Photoshop ”
OLD 従来の「コンテンツに応じた塗りつぶし」
まずこちらの写真をつかって、女性モデルを消してみましょう。
ツールバーより「なげなわツール」などお好みのツールで、塗りつぶしたい範囲を選択したら、メインメニューより「編集」>「塗りつぶし」に進み、表示されたパネル上で、内容「コンテンツに応じる」を選択したら完了です。
波打ち際などはうまく表現されていますが、島が大きく割れてしまい、不自然な仕上がりとなってしまっています。
NEW 新「コンテンツに応じた塗りつぶし」
今回新しく追加された機能「コンテンツに応じた塗りつぶし」では、より細かい調整を行うことができ、ナチュラルでリアルな見た目を表現できます。メインメニューより「編集」>「コンテンツに応じた塗りつぶし」を選択しましょう。表示されたワークスペース用パネルには、新しいツールが用意されており、これらをつかって、サンプリング領域を自由にカスタマイズできます。
まず、ツールバーより「なげなわツール」を選択したら、Option/Altを押しながら、不要な部分を削除していきましょう。同時にプレビューをリアルタイムで確認でき、間違ってしまってもCommand/Ctrl+Zで作業を戻ることもできます。
さらに、ツールバーより「サンプリングブラシツール」を選択したら、サンプリングに不要な部分を削除することができます。Option/Altを押しながら、ペイントすることで、サンプリング領域を追加します。
サンプリング領域の変更中は、ローディングアイコンが表示され、三角の注意アイコンは解像度が低く表示されている状態を示しています。なお、出力時には通常の解像度となっているので、問題はありません。
最後に「出力設定」で、出力先を決めることもできます。ここでは、「新規レイヤー」としています。
完成がこちら。コンテンツに応じて塗りつぶした部分のみ、新しいレイヤーとして作成され、見事に女性モデルを写真から消すことができました。
OLD 従来の「コンテンツに応じた塗りつぶし」
もうひとつのサンプル例を見てみましょう。ここでは、プールサイドにあるリクライニングチェアなどをまとめて消してみます。
先ほどと同じ手順で、まず従来のやり方を試してみます。塗りつぶしで内容を「コンテンツに応じる」としましたが、写真が複雑なこともあり、一部分不自然に消されているのが分かります。
NEWより複雑な写真でも実現可能
では、新しい「コンテンツに応じた塗りつぶし」をつかって、微調整を行っていきましょう。
今回は、タイル状のフロアパネルを再現したいので、サンプリングに不要な領域を削除していきます。ツールバーより「サンプリングブラシツール」を選択したら、建物の外観やプール、花壇など不要な部分をペイントしていきます。プレビュー画面では、リアルタイムで塗りつぶしが変化しているのを確認できます。
不要な部分をすべて削除し、プールサイドのフロアタイルのみをサンプリング領域に指定した状態がこちら。
「塗りつぶしの設定」では、よりナチュラルな仕上がりを実現できるよう、明るさとコントラスト適用する「カラー適用」や、コンテンツの回転を許可する「回転適用」などを指定できます。ここでは、できるだけうまく一致するようにコンテンツの「拡大・縮小」にチェックを入れています。編集する写真に応じて、さまざまな設定を試してみると良いでしょう。
「コンテンツに応じた塗りつぶし」を適用した状態がこちら。選択した範囲のみ、新しいレイヤーとして新規作成、追加されています。仕上がりもよく見れば分かってしまいますが、1分もかからずに行った作業とは思えない出来となっています。
Photoshop CC 2019では、人工知能(AI)とマシンラーニング(機械学習)を駆使した Adobe Sensei。生産性を向上する機能が追加されたことで、「コンテンツに応じた塗りつぶし」ワークスペースは、より精密なコントロールが可能となり、求める結果を素早く得ることができるようになりました。すごいですね、Photoshop。