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岐阜発達障害児、連携しケア 岐大医学、教育学部が初の合同授業
発達障害と診断される子どもが増える中、岐阜大(岐阜市)が医学部と教育学部の垣根を越えて、障害について学ぶ合同授業を初めて開いた。卒業後に医師や保健師、教員として障害児に関わる学生たちが、早いうちから互いの専門分野への理解を深め、適切なケアにつなげるのが狙いだ。 十二日、医学部の教室で両部の約四十人が八グループに分かれて机を囲んだ。初めて医学部に足を踏み入れる教育学部の学生も。九月から事前にインターネットを介して自己紹介し、ある子どもを一例に発達障害の診断方法や教育の課題について意見交換。この日初めて顔を合わせた。 授業には障害児を抱える保護者八人を招き、日ごろの生活状況や困り事などの説明を受けた。 あるグループが聞き取ったのは、いずれも自閉症スペクトラム障害(ASD)がある小学生の兄と、児童発達支援センターに通う弟を育てる母親のケースだ。 弟が一歳半健診を受けた際、保健師に「様子見でいい」と言われたという。その後、医師の診断が下ったが、母親は障害が見過ごされかねなかったと指摘。「診断がついたのはショックだったが、障害を早く見つけて周りに相談するのが大切。教育現場にも知識や経験がある先生がいてくれると助かる」と訴えた。 これを聞き、医学部五年の小木曽衛さん(23)は「教育や福祉サービスの実情を知らなかったので勉強になった」。教育学部四年の斎藤佑奈さん(22)も「教員は既に診断された子どもが相手なので、その前の段階の医師や保健師の役割をもっと知りたい」と話した。 学部間の調整をして授業を企画した医学教育開発研究センターの川上ちひろ講師は「切れ目のない支援を提供するには、多職種の連携が不可欠。学生には専門分野以外の気づきがあったのではないか」と期待した。 (近藤統義) 今、あなたにオススメ Recommended by
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