サブカル 語る。

サブカルチャーなどについての雑談

性欲についてフェミに語らないお前らキモオタや男共は卑怯だ

こんにちは。

 先日ブログで取り上げたNHKの公式サイトによる「キズナアイ起用」論争は、今もツイッターでは激しく是非を問われて意見や罵詈雑言が飛び交っています。

 

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NHKWebサイト

「まるわかりノーベル賞2018」より


 

 キズナアイの起用に対して異論を唱えると大抵は「表現の自由」云々を持ち出したり他のエロ絵を持ってきて「このエロ絵と比べてキズナアイはエロといえるのだろうか?」という反論をする人がいますけど、そんなのは単なる論理のすり替えです。ちなみに以下はこの騒ぎの発端になったツイート。

 

NHKノーベル賞解説サイトでこのイラストを使う感覚を疑う。女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写されアイキャッチの具にされるがよりによってNHKのサイトでやめて。このサイトで女性受賞者は少ないの?とか書いてるけどこれじゃ理由わかんないんだろう https://t.co/BlRyawbXaf pic.twitter.com/JwekrmMJHT

— 弁護士 太田啓子 (@katepanda2) October 2, 2018

 

 さらにこの騒動をややこしくした武蔵大学のの千田有紀教授(社会学)の見解。

 

私が問題にしたいのは、そのキズナアイが置かれた場所である。

1)子どもを対象
2)教育的な教材
3)女性は理系が苦手というステレオタイプ
4)女性の多くが理系に進まないという現実
5)女性が性的に描かれている
6)女性が相槌しか打たない補助的な役割に押し込められている

news.yahoo.co.jp

 たかがVtuberの起用にこの①~⑥項目すべてが含まれているとは僕も思わないため、この意見について僕は賛同できません。ただ、この太田弁護士や千田教授の主張の背後に

若い女性やそれを描いた萌えイラストは性的な対象として社会や男性に認知されており、衆目を集めるための存在と見なされている」という現実

キズナアイの問題については「萌えという2次元ラブドールは相応しくない」というだけ。 - サブカル 語る。

  

 そのものへの抵抗感がある点のみにおいて、僕は理解できます。従って本来議論するべきはそのシングルイシューのみであり、今回のキズナアイの起用だけではなくその他vtuberや漫画、アニメ、小説、映画などの表現や社会におけるリアルな女性の立ち位置を含めた包括的な議論に発展させていくのが物事のスジっていうやつでしょう。だけどおそらく太田弁護士に噛みついた人たちはその議論には乗ってこない。なぜかというと、この社会や自分たちが「若い女性を性的対象として昔から消費してきただけでなく、この先も利用したい」という現実と本音を認めたくないからです。

 

 街中を歩けば企業の受付にいるのは必ずキレイどころの若い女性。漫画雑誌の表紙を飾るのはグラビアアイドルの水着。学校では担任が若い女性だと男子は騒ぎ、ベテランの中年女性だとため息。こんな光景を皆さんだって少なからず観てきたことでしょう。かくいう僕もベテランの中年女性担任にため息をつき、マンガ雑誌の表紙を飾っているグラビアアイドルの表紙に目が留まり、キレイなお姉さんの受付に表情をほころばせるスケベなおっさんです。若い頃にはエロマンガやエロ本を買い、エロゲーで性欲を満足させてもいました。なので別にいい子ぶるつもりもありません。僕も現在進行形で「若い女性やエロな絵を性的対象」にする当事者です。ついでにいうと10数年前にアニメ制作に携わった頃、作品人気の低迷を防ぐために人気女性キャラのセミヌードを出そうという会議にでたりしていました。ただ女性が肌色だとNGなので窓の側に立たせて街の明かりに裸を照らす演出でごまかそうという監督・演出の打ち合わせに軽くキレて「そんなに肌色がダメとかいうなら、ゲストキャラでデスラー総統を登場させて服を脱がせりゃいいじゃないすか」といって両者を怒らせたけど。アニメでも漫画でも現実でも若い女性という記号は、モノを売ったりPRするためにはとても有効なツールなんです。

 

アニメ制作の時代に監督から「AMはこういう表現をどう思う?」と質問されたので上記のような回答をしたこともありました。その時に監督は怒らずただ「物語の敗北。その言い方にはムカついたけどこれほど適切な分析もないと俺は思う。」と、ため息をついていたのを僕は覚えている。

エロで売るラノベもアニメも日陰者らしくコソコソしてりゃいい - サブカル 語る。

 

 だからこそ、その女性サイドの「若い女性やそれを描いた萌えイラストは性的な対象として社会や男性に認知されており、衆目を集めるための存在と見なされている」ことに対する抵抗については耳を傾け、その反発に対しては議論で互いの妥協点を模索しなきゃダメだと思います。この価値観にどっぷり浸かる僕らに何ができるか、どんな妥協点があるかはまた別の問題で、とりあえず萌えイラストや若い女性に感じる性的魅力について僕たちは認め、その問題について自覚的であれよっていうのが僕の意見なんだけど、そんな難しいことでもないでしょう?その辺をまともに語らず「表現の自由」や「エロ表現の程度」という話に逃げるのは極めて不誠実だと僕は思うのです。何度も言うけど、このキズナアイ論争で問われているものは「若い女性を性的対象として昔から消費してきただけでなく、この先も利用したい」という現実と本音を認めない男性サイドの不誠実さです。

 

www.mm-nankanoffice2.com

 

※本当にキズナアイ問題にはヒステリックな言動が多すぎる。こういった過去や現実を認めないという態度は日本でヘイトをまき散らす歴史修正主義者に繋がるものがあり、だからこそ現在のオタクとネトウヨっていうのは親和性高いんだろうな。