こんにちは、画家のミヤハヤです。
ぼくは今月の26日〜29日に自身2度目の個展が控えているのです。
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初めての個展はありがたいことに大盛況でした。
しかし、その後すぐに友人に言われたんですよね。
「何でも初めては珍しさで人は来てくれる。2回目が本当の真価が問われる」と。
この言葉がぼくの胸にズシンと響いて、二度目の個展をしっかり成功させたいと心から思ったんです。
ですから、1人でも多くの人に自分の作品を生で観てもらいたいと思いましたし、みなさんに「個展に来てください!」とも大きな声で伝えたい。
しかし、そんな気持ちはぼく以外のアーティストたちもみんな必死に思ってることです。
なので、ぼくのような駆け出しの画家が普通に「個展に来てください!」と叫んでもダメだなと思いました。
iPS細胞の山中教授がマラソンを走って寄付を募っていた。
そんな時に、iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授のことを思い出したんです。
iPS細胞は今後の世界医療の発展に重要な役割を果たす高度な代物です。
しかし、その実用化のための研究には莫大な費用がかかります。
山中教授はその研究費を集めるためにマラソンを走り、その姿を見せて寄付を1000万円以上も集めたんですね。
ぼくはそのことを反芻させて「科学者の山中教授も研究費のためにあれだけ身体を張っているんだから、画家である自分も身体を張らなきゃ!」と心に決め、マラソンに挑戦しようとおもいました。
けれど、もう個展まで2週間を切り、マラソン大会もマラソン練習の時間もありません。
ですから、練習なしで自力でマラソンに挑むことにしたのです。
場所は皇居!
都内で42.195キロのマラソンコースと言えば、すぐに東京マラソンのコースを思い浮かべると思います。
はじめはぼくもそうしようとおもいました。
しかし、マラソンコースの道順を覚えるのは難しく、iPhoneマップを頼りにしてもきっと道に迷うと思いました。
また、急にトイレに行きたくなった時、すぐ見つからないというアクシデントが予想されます。
そんな時に、友人から「ランニングの定番だけど『皇居』だと1周が5キロだし、トイレもいくつもあって走りやすいよ。」と教えてもらったんですね。
ぼくはそのことを聞いてすぐにネットで皇居のことを調べると、友人の言っていることとほとんど同じ内容を書いていたので、「ここならマラソンができそうだ!」と皇居で行うことを決めました。
皇居の1周は約5キロ、9周すれば45キロなのでマラソン以上の距離を確実に走ったことになります。
ぼくは皇居を9周することを目標に定めました。
さぁ、果たして画家が練習なしでマラソンを無事完走することができるのでしょうか?
マラソン開始!
朝早く起きて準備をし、休日でランナーたちが颯爽と駆けている皇居に到着。
正直、練習なしのマラソンに挑戦することを決めてから、この日までが憂鬱でなりませんでした。
しかし、男にはやらないといけない時があります。
午前10時15分、ぼくはとうとうマラソンをスタートさせました。
1周ですでに膝が痛くなる!
ぼくは本当にゆっくりとしたスピードで走り出しました。
皇居には若い男女からおじいちゃんまで本当にたくさんのランナーがいて自分をビュンビュンと追い抜いていきます。
彼らの姿を見ていると羨ましくて「ペースを上げたい」という気持ちになります。
ですが、ぼくの走る距離は45キロという途方もないモノ。
気持ち良さそうに追い抜いていくランナーたちを横目にぼくは自分のペースを守って走りました。
そして、ようやく1周を走り終わり、5キロを走破。
まだまだ序盤です。
しかし、すでに膝がズキズキと痛み出したのです。
御歳32歳のおっさん、運動習慣は近所の散歩程度。
「自分にはやっぱり無謀だったんじゃないか。。。」と一抹の不安がよぎりました。
地獄地獄地獄地獄地獄.....
皇居のはじめの1周を40分で走れた自分ですが、 そこからどんどんペースが遅くなります。
「マラソンの練習をしていないから」と言ってしまえば、それでお終いですが、もう身体が全くついてきません。
下半身の筋肉が悲鳴を上げ、一歩足を進めるごとに膝に猛烈な痛みが襲います。
文字通りの「地獄」です。
はじめは周りのランナーのことが気になって「ペースを上げたいなー。」とかオメデタイことを思っていましたが、もう周りなんてどうでもよくなりました。
「とにかくこの生き地獄から解放されたい。。。」
そんな気持ちばかりが頭の中をグルグルと駆け巡ります。
しかし、それでもぼくは懸命に気力で走り続け、何とか皇居を5周(約25キロ)し、半分以上を走ることができました。
※その時のリアルな姿を納めた動画(辛すぎて声に覇気が無い!!)
歩行者にさえ追い抜かれる
何とか半分以上を走れた自分ですが、もう体力も身体も限界に達していました。
その影響でぼくのスピードは尚も落ち始め、もう走ってるのか歩いているのか分からないようなペースになってしまいました。
そんな中、用事に急いでそうな30代ほどの男性が早歩きでぼくの横を通り過ぎていったのです。
「もはやぼくの走りは歩行者よりも遅いのか。。。」
この時ばかりは情けなくて呆れてしまいましたね。
終盤、ついに歩き始める
膝の痛みはもはや激痛に変わりました。
特に下りになると痛すぎて思わず声が出てしまうほど。
「このまま走り続けたら、膝が壊れるんじゃないか。。。」
そんな恐怖が頭によぎりました。
そして、ぼくはとうとう歩くという決断をしたのです。
皇居7周目で、 残り14キロを切ったところでした。
※その時の心境をリアルタイムで納めた動画
完走はできなかったが、何とか歩きながらもやり遂げました!
残り14キロを切った所で歩き始めたぼくは目標を修正しました。
始める前の目標は45キロのマラソンを「完走すること」でしたが、それを「やり遂げること」に変更したのです。
正直、歩くだけでも足が痛くて苦痛でしかなかったんです。
「練習なしでマラソンにチャレンジする」というのがどれほど無謀なことなのか、ぼくはこのチャレンジを行っている最中に嫌というほど思い知らされていました。。
ただ、ずっと歩いてるだけではせっかくのチャレンジが余りにも情けないとおもい、時折走りもしました。
ですが、ぶっちゃけてしまうと、もはや走るのと歩くのでは「走るより、早歩きの方が速かった」んです。
でも、少しでも走ることに意味があるとおもい、ぼくは時折走りました。
そして、ようやくようやく、ようやく。。。。
皇居9周(約45キロ)を達成したのです。
ぼくはゴールした後、持って来ていたスポーツドリンクをすぐに飲み干しました。
そして、近くにあったベンチに倒れ込むように横になりました。
「本当に長かった。。。」
「苦しかった。。。」
「辛かった。。。」
マラソンを完走するのに1流ランナーであれば2時間ちょっとで走り終えます。
しかし、ぼくの場合は実に8時間以上もかかってしまいました。(開始が10時15分だったので)
そして、それだけの時間が経っていたので、あれだけ明るかった皇居もすっかりと日が落ちて真っ暗になっていました。
暗闇に包まれる皇居を眺めながら、午前からこんな暗くなるまでずっと走っていた(り、歩いていた)なんて自分でも信じられません。
誰よりも遅かったけど、誰よりも遠くに行った
今回のチャレンジ中にぼくは軽く500人以上のランナーに追い抜かれたと思います。
そして、間違いなくぼくが今回の皇居のランナーで一番遅かったと思います。
何と言っても、歩行者に抜かれるランナーなんて聞いたことありませんからね。
ぼくが誰よりも足が遅かったのは紛れもない事実です。
しかし、今日走っていたどのランナーよりも遠くに行きました。
それだけは誇りに思おうとおもいます。
そして、今回のチャレンジで「たとえ亀のようなスピードだとしても積み重ねれば、途方もない場所まで行けるんだ」ということを身を持って体験したので、それをみなさんにお伝えしたいです。
個展に来てください!
最後にこれだけは書かせてください!
こんな過酷なチャレンジを行えたのは、冒頭にも書いた通り、「自分の個展に1人でも多くのみなさんに来ていただきたい!」という切実な気持ちがあったからです。
45キロのマラソンを終えた後に「動画」を撮りました。
この動画を見て、もしくはこのブログを全部読んで「個展に行きたい!」と思った方はぜひお越しくださいませ!
ぼくは岡本太郎を超える画家になりますので、何卒よろしくお願いいたします。
個展の詳細はこちらです!
本当に今回は、自分の人生の中でも指折りで数えれるくらいに苦しいチャレンジでした。
今後も自分は挑戦をし続けますので見守っていただけたら幸いです。
それでは!