味噌汁だけじゃない! なめコンソメという新しい楽しみ方

秋の味覚、きのこ。そのなかでも定番の「なめこ」を使ったコンソメスープをご紹介します。火を使わずレンジだけでつくれるので調理も簡単。胃や腸の粘膜を保護してくれるナメコは二日酔いにもおすすめです。スープ作家・有賀薫さんによるスープレッスン。この連載を元にした書籍『スープ・レッスン』も大好評発売中です。

レンジを使ってコンソメ仕立てに。

もっともポピュラーなきのこのひとつ、なめこ。独特のぬめりが特長で、豆腐と合わせたなめこの味噌汁は、定番中の定番です。でも、味噌汁以外になめこを汁物に使うことって、めったにありません。鍋にもあまり入れませんね。

そこで今回は、なめこを使った洋風スープを作ってみましょう。なめこのコンソメ、「なめコンソメ」。レンジを使って味噌汁以上に簡単に作れます。ほんの少しのハムでうまみを補ってあげると、本当にだしなし?と思うほどうまみのあるスープができあがります。

つるんとした口当たりで、コンソメにするとまた味噌汁とは違って感じられるはず。処理済みで手軽な袋入りのなめこもよいですし、季節の天然ものが手に入ったらそれもまたよしです。


なめコンソメ

材料(2人分) 所要時間約5分

なめこ 1袋 
ハム 1~2枚(20g)
みじん切りパセリ(青ねぎ、ピーマンなどでも可) 小さじ1
塩 小さじ1/2
胡椒 少々
水 350mL

作り方

1.ハムとパセリを刻み、なめこを洗う
ハムとパセリをみじん切りにする。なめこはざるに入れてさっと洗う。(株つきのなめこの場合はいしづきを切りおとしてほぐす)★1

2.なめことハムを器に入れ、レンジにかける
なめことハム、塩を耐熱容器に入れ、水350mLを入れて、600wのレンジに3分半~4分かける。★2

3.パセリを加える
レンジからとりだしてスプーンで混ぜ、味をみて塩胡椒で調節し、パセリを散らす。★3


レシピのポイント解説

・なめこは洗う?
・レンジ調理について
・パセリについて

★1 なめこは洗う?

通年で売っているなめこは、ご存知の通り、すでに軽く洗浄され、カットされた状態で袋詰めされています。


冷蔵庫で3日ほどは持つが、水分も多く傷みやすいため、なるべく早く調理を

なめこは、そのまま使ってもほとんど問題はありません。ただ、少し時間がたつと、袋をあけたときに酸っぱい匂いがするかもしれません。乳酸菌が少し繁殖している証拠です。また、おがくずなどのゴミがついていることもあるため、水で軽く洗うといいでしょう。

天然のものはめったに手に入りませんが、秋になると原木栽培のなめこも、出てきます。ぜひ食べてみてください。もちろん、通常のなめこと同じように食べられます。
形はシメジなどに似ています。下の部分がくっついていますから、いしづきを取り去り、こちらもサッと洗います。


足つきのなめこ。しめじと同じようにいしづきを切りおとし、バラす

ちなみに、袋入りのなめこは傷みやすいので、外に出しっぱなしにしておいてはいけません。肉や魚と同じような扱いで、買って帰ったらすぐに冷蔵庫へしまい、新鮮なうちに食べ切りましょう。

★2 レンジ調理について

作り方は、本当に簡単です。なめこと刻んだハム、塩を耐熱容器に入れ、全量の水350mLを加えます。これをレンジにかけるだけです。


洗ったなめこ、刻んだハム、塩、水


ラップをかけずにレンジに入れる

レンジは600Wで、約3分半から4分です。器の材質や大きさ、レンジによると思いますので、短めでかけて、様子を見ながら熱々になるまでレンジにかけてください。

取り出したら、塩が均一になるようにスプーンで混ぜ、パセリを加えて完成です。


味にムラが出ないよう、混ぜる

★3 パセリについて

料理のいろどりに使われることが多いパセリですが、このスープの場合はパセリの香りや軽い苦味を利用して、なめこのうまみを引き立て、味に奥行きをつけるために欲しいところです。

もしゃもしゃと葉のちぢれたおなじみのパセリと、葉の平べったいイタリアンパセリがありますが、どちらでも構いません。また、青ねぎ、あるいはピーマンのみじん切りなど、香りの少しある野菜なら代用できます。香りを生かしたいので、最後に散らします。


パセリ(左)とイタリアンパセリ(右)

パセリは少し使って余らせてしまう人も多いのではないでしょうか。パセリをメインで使うスープもnoteにご紹介していますので、ぜひご覧ください。

まとめて刻み、ラップに平べったく包んでおくと、少しずつ割って好きに使えます。パセリだけをたっぷり入れたバターライスもおいしいですよ。


二日酔いにもおすすめです

ほとんどが菌床栽培で、通年安定した価格で買えるなめこは、食べ切りサイズでもあり、日常的に取り入れたいきのこです。食物繊維や、ムチンとも呼ばれることのある糖タンパク質があり、胃や腸の粘膜を保護してくれる役割があります。二日酔いになめこ汁が欲しくなるのも、道理ですね。

洋風に食べるこんな方法なら、ごはんだけでなくパンにも合わせられます。秋の夕食にぴったりのスープです。


【アレンジ】なめこスープは意外とオールマイティ

今回はハムとパセリの組み合わせですが、ここを様々に変えていくことでバリエーションが作れます。ハムはベーコンやサラダチキン、ひき肉など。パセリのかわりには、香りのあるものが合うでしょう。ねぎ、ピーマン、にらなどぴったりです。意外と合うものは幅広いので、いろいろやってみてください。ごはんを入れてボリュームアップすれば、軽い一食になります。

なめコンソメ・ベーコンバージョン

ハムをベーコンにかえて作ります。ベーコンは通常の薄切りので大丈夫です。脂身があるので、みじん切りというよりは千切りでいいでしょう。ここでは青ねぎを散らしましたが、もちろんパセリでもOKです。


なめこリゾット

ごはんを茶碗軽く1杯ほどを入れて少し煮込むと、リゾット風おじやができます。チーズをたっぷり振りかけるとおいしいです。

<次回は10月29日(月)更新予定>


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コメント

CpbxzcFkv6ZqjCm またリゾットが美味しそうで。 早速なめことパセリ買った。 約1時間前 replyretweetfavorite

midorikirin310 これ、試してみたい! 約2時間前 replyretweetfavorite

granat_san ハムやと合わせるのいいな。今度やろう。 約4時間前 replyretweetfavorite

mukuobake 今日なめこ買ってこよ! 約5時間前 replyretweetfavorite