(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年10月12日付)
米国以上にIT関連株の落ち込みが激しい中国。写真はスイス・ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部で、WTOパブリックフォーラムに出席する阿里巴巴(アリババ)のジャック・マー会長(2018年10月2日撮影、資料写真)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP〔AFPBB News〕
米アマゾン・ドット・コムが1兆ドル企業だった頃のことを読者は覚えておいでだろうか。
あれは、つい5週間前の話だ。その後、アマゾンの時価総額は1500億ドル近く吹き飛んでしまった。
1500億ドルと言えば、米国で最も成功している小売業者2社――ターゲットとコストコ――の時価総額の合計をも上回る金額だ。
これは強気相場を長い間続けてきたハイテク株に値下がり余地がどれほどあるかを示す格好の事例だ。
市場全体を押し上げてきたこれまでとまさに同じように、10月10日のハイテク株の総崩れは株式市場全体を押し下げた。
大型ハイテク株のファンダメンタルズは依然盤石に見える。少なくとも、厳格な新規制の脅威が目立たずにいる限りはそうだ。
しかし、市場のムードが変われば、大幅な下落が生じる余地も大きい。
大半のバリュエーション指標で見る限り、恐ろしいほど割高になっているという雰囲気はハイテク株にはうかがえない。前回のハイテクバブルとの比較も、明らかに成り立たない。