インドでの「引き籠もり」生活、日本より快適に

「カネ」よりも「やりがい」重視の若者たち

2018年10月15日(月)

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 インドの都市部では日本以上に「引き籠もり生活」が簡単にできる。生活に必要な品物をオンラインで注文すれば届けてくれる。それほどまでに、デジタル化が進んでいるインド。若者に「ハレの日消費」が広がっている背景はそこにある。

人口数百人の村にもサテライトテレビが(インド南部の村)

 インドと聞いてまず思い浮かべるのは、「13億もの人口を抱える巨大な国」というイメージかもしれない。日本に帰ってくると、「インドの人って、どんな人たちなの?」とよく聞かれる。日本の印象からすれば、ターバンして、毎日カレーを食べて、いろんな言葉があって、とにかく神様がたくさんいる。まだそんな印象が強いかもしれない。

 世に溢れるインド本の多くはバックパッカーがどれだけ大変な思いをして旅してきたかを語るようなものが多く、お腹を壊し、インドの人たちの時間感覚の無さや押しの強さに呆れ、果てはインド人に騙されたとか、インド人と騙し合いをしたというような武勇伝があちこちに落ちている。

 でも、こういったインド人は実はごく一部でしかないというのも事実だ。

 実際に私が会っているインドの人たちの中でも日本人がイメージするような押しの強い人やおしゃべりな人たちもいれば、気の弱い人たちもいる。アクの強いインドの人もいれば、 まさに天才を地でいくようなそんなインドの人たちもいる。

 実際のところ、インド13億人のうちの大多数は、おそらく外国人から全く見えないところに存在していると思う。

 1年ほど前にインド南部のとある村に調査に行ったことがある。その村は周辺の地域と比べても所得水準が低い村だった。そこでしばらく聞き取り調査をして、村の人たちと一緒に山の斜面にある畑へと連れて行ってもらった。そこで見たのは、ぼろ布をまとって山の急斜面にへばりつくように座り、錆びた鉄の塊を使って草を刈っている人たちだった。

 所得水準が低いその村の人ですら、「彼らは貧しい」と言う次第で、貧困の先にさらに貧困が横たわっているとは想像すらしておらず、ただひたすらにインドの奥の深さに打ちひしがれていた。そしてさらに驚きなのは、こういった人ですら携帯電話を持っていたということだ。

 この村に行くには人口15万人ほどの田舎の町を拠点にして動くのだが、この小さな田舎の町から、たかだか人口数千人の村に行く間にも 大手の通信キャリアの看板が途切れることなく連なっていた。 現地の人に聞くと、これだけ通信キャリアの店が広がってきたのもこの数年だという。

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「インドでの「引き籠もり」生活、日本より快適に」の著者

繁田 奈歩

繁田 奈歩(しげた・なほ)

インフォブリッジグループ代表

大学時代にインドを放浪し旅行会社を設立。調査会社インフォプラント設立に加わり、中国子会社を立ち上げる。その後、インフォブリッジを設立して独立。中国とインドで調査・コンサルティング事業を展開。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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