青山墓地が最安値427万円でも大人気のワケ

死ぬ前に知っておきたい「お墓とお金」の話

都心の一等地にある青山霊園(撮影:梅谷秀司)

前回の記事(「お墓参り」知らないと恥ずかしい基本の基本)では「お墓参りの基本」について解説しました。今回のテーマは、「お墓とお金の基本」です。

今年8月、2018年度の都立霊園の公募受付に対する公開抽選が行われました。公募受付数2万7845の区画に対し、一般的な石のお墓(一般埋蔵施設)は5.5倍、集合タイプのお墓(合葬埋蔵施設)で3.7倍、樹木を墓標とする樹木葬タイプのお墓(樹林型合葬埋蔵施設)で7.9倍と、例年同様、高倍率となりました。

数字だけ見ると、墓地購入はハードルが高いと印象づけられます。しかし実際は、「お墓が売れない」と嘆く石材店など販売業者の声は年々増すばかりです。業界内では「お墓離れ」という言葉もささやかれ、郊外の霊園は空き区画だらけ。自治体でも「無縁墳墓(管理する縁故者がいなくなった墓)が増えている」とささやかれています。

都立霊園に人気が集中するカラクリ

さらに現在、東京23区内で次々と建てられる機械式納骨堂(屋内に遺骨を安置する納骨堂。「ビル型納骨堂」「マンション型納骨堂」とも言われる)はもはや飽和状態で、「月に10件、良くて20件売れればいいほう」と、どこからも威勢の良い声は聞かれません。

お墓の需要が減っている中、都立霊園ばかりに人気が集まるのはなぜでしょうか?

墓地を事業主体別に分けると、自治体が運営する「公営墓地」、寺院境内にあり檀家になることを伴う「寺院墓地」、開発業者や石材店が墓地の開発・販売等にかかわる事業型の「民間墓地」に大別できます。

公営墓地は、墓地使用料がリーズナブルに設定されていることもあって全国的に人気です。しかし都立霊園に限っていえば、決してリーズナブルとは言えません。

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  • NO NAMEfeae3a77570c
    そうですよね。お墓は維持管理が大変です。立派なお墓があっても、未来永劫に後継者が管理してくれるとは限らないし、息子や孫の世代にまで世話を掛けたくないという気持ちもありますね。
    up17
    down1
    2018/10/14 08:07
  • NO NAMEb9e295ba6ab6
    結婚制度だって、長い歴史で見れば決して当たり前なものではない。
    現代人は同調圧力から解き放たれようとしている。
    up16
    down1
    2018/10/14 07:42
  • NO NAME1d115a988ddb
    墓は不要です。葬儀屋、寺、教会、どこもボッタクリです。
    up16
    down2
    2018/10/14 10:17
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