キャピタルゲインとインカム狙いの投資
キャピタルゲインは値上がり益です。
インカムは利回り収入です。
両方取れる株式が一番です。しかし、米国株の場合はこの役割が比較的クッキリと別れています。一般的に、成長株は配当を成長の原資とするために配当を出しません。主にNASDAQ上場の若い株式に多いですね。
一方、タバコ株や生活必需品企業などは枯れた技術を持つところが多く、利益を配当として積極的に還元しています。よく知られる、プロクター・アンド・ギャンブル【P&G】やコカ・コーラ【KO】をはじめ、電力企業などの公益株などは典型的なインカム狙いの株と言えるでしょう。
あえて両方を狙うならば、VTIやS&P500連動のETFということになります。しかし、この2,3年の株高で、分配金利回りは1%台まで落ちています。数年前までは2%半ばはありましたから、やはり株高なのでしょう。
株式以外に目を転じてみると、債券などはほとんどキャピタルが得られません。それでも一定の人気があるのはその底堅さと2%~3%のインカムでしょう。
日本人投資家の場合、比較的多数の人がインカムを好む傾向にあるように思います。定期預金が未だに重宝されるのはそういうことです。昨日今日で評価額が比較的大きく変動するキャピタルゲイン狙いの商品は、買い手を選ぶのかもしれませんね。
さて、ここでインカムに関連したご質問を紹介します。
安定的なインカムを得たい
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たぱぞう様
いつもブログを拝見させて頂いております。早速ではございますが、御相談させてください。私は40代後半独身女性ということもあり、将来的に安定的なインカムゲインを目指しています。
今年から、つみたてNISAで楽天VTIを年間40万、通常課税枠でeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を年間40万積み立てています。その他自由に出来る預金は1000万、更に毎月の投資額を8万プラスしたいと思っています。
米国投資100%に躊躇いはありませんが、まだしばらくキャピタルゲイン目的の投資を続けて資産を増やすことを考えた方が良いのか、それともインカムゲイン目的の高配当ETF・個別銘柄を少しずつでも買い足していった方が良いのか迷っています。
- 1000万と月々8万の運用について
- 楽天VTIとS&Pの積立を今後も続けるべきか、それともその分をインカムゲイン目的の投資に回した方が良いのか
アドバイス頂けましたら幸いです。どうぞ宜しく御願い致します。
インカム狙いはもう少し後でもよいですね。
結論から言いますと、今のインデックス投資を続けられたほうが良いと判断します。個別株のインカム狙いは、もう少し後で良いと思いますよ。理由としては、いくつかあります。
- 投資を始めたばかりである
- 買っている商品に間違いがない
- ご年齢としてさらなるリスクをとりに行く必要性が薄い
この3点です。インカムを狙うと、どうしても個別株を入れる必要が出てきます。そうなると、今後は銘柄研究を含めた投資先検討の時間が必要になります。好きな人は苦にしませんが、どうでしょうか。
さらに、相場はやや動意づいており、これからもそれなりの上下動が予想されます。こういう相場にうまく乗れる人は別ですが、初心者さんの多くが底値で売り、高値で買うという展開に巻き込まれがちです。
ドルコスト平均法というのは、機械的に買っていくだけです。設定さえすれば感情を含めずに淡々と買い付けをします。シンプルですね。なおかつ、荒れた相場に強いです。
やや古くなりますが、1年近く前のJPモルガンの資料です。
JPモルガンの資料に限らず、先日ご紹介したバンガードの資料なども期待リターンに関しては過去のリターンに対して低めに見積もっています。つまり、世界経済に関しては今後やや注意が必要な局面を迎えると、いくつかの機関は予想しているということです。
昨今の相場変動を見てもそうですが、今は2017年のような単純な右肩上がり相場ではないと思ってよいでしょう。だとするならば、特に初心者さんには淡々と指数を買い付けていく投資方法が合っていると思います。
ただし。迷わせてしまうかもしれませんが、金利が上がっていますので債券と競合する高配当銘柄は株安傾向にあります。この傾向は利下げが起きない限り続きます。この流れであえて買い向かうという考えもあるにはあります。しかし、それは豊かなキャッシュがある、そして経験もあってブレない人向けの投資になりますね。
その場合、業績が悪くなく、配当に回すだけの利益がきちんと上がっている企業であることが前提になります。ご参考までに。ご質問ありがとうございました。
関連記事です。
高配当株に関してのメリットデメリットをまとめた記事です。こちらも似たようなテーマの記事ですので、よろしければご参考までに。
米国株で高配当株を買うメリットデメリットです。まさにキャピタルか、インカムか。まさに永遠の課題と言ってよいですね。
キャピタル狙いの投資、逆張り投資術などに関しても書いています。やはりやや上級者向けとの投資ということになりますね。