一面隕石、民家にドスン 小牧、駐車場の屋根に穴
愛知県小牧市小松寺の内藤真吾さん(71)が九月二十七日、自宅の玄関前で見慣れぬ石を見つけ、国立科学博物館(東京都台東区)の専門家が鑑定したところ、隕石(いんせき)と判明した。同館は「小牧隕石」と名付け、国際隕石学会に登録申請する。登録されれば、国内では五十二番目。岐阜市で見つかった「長良隕石」が二月に登録されて以来となる。 内藤さんは九月二十六日午後十時二十分ごろ、自宅で寝ていて、「ドスン」という大きな音で目覚めた。いったんは、そのまま寝たが、翌朝、玄関ドアを開けると、外のタイル張りの床に、人のこぶしぐらいの大きさの黒い石が落ちていた。最初はカエルかと思ったという。 縁に焦げたような跡があり、玄関から五メートルほど離れた駐車スペースの屋根に穴が開いていた。隣家の屋根にいったん当たってから、内藤さん宅に落ちたとみられる。隣家からも破片が見つかった。 内藤さんは、科学博物館に石を郵送。鑑定の結果、宇宙から来たことを示す放射線「宇宙線」が検出され、隕石と分かった。 科学博物館によると、隕石は一〇・五センチ×八・五センチ×四・五センチ。重さは五百五十グラムある。地球上の岩石とほぼ同じ成分。ニッケルを含んだ鉄の金属粒が内部にある可能性が高く、磁石に反応する。 国際隕石学会は一九三三年に設立。それ以前に見つかった石も含め、科学的な鑑定によって隕石かどうかを判定している。日本で発見され、学会に認定された最古の隕石は、平安時代の八六一年に福岡県直方(のおがた)市に落下した「直方隕石」だ。 鑑定結果を知らされた内藤さんは「驚くしかない。住宅街だったので、事故がなくて良かった」と話す。 鑑定した国立科学博物館の理工学研究部理化学グループ長米田成一さんは「世界でも落下して回収された隕石は年間十件程度と珍しい。一般的な隕石とみられるが、研究を進めると特徴的な点も見つかるかもしれない」と話す。 (藤原啓嗣) 今、あなたにオススメ Recommended by
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