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成果主義とは何なのか(9)
成果主義とは何なのか(9)
4.成果主義のプラス側面
数値目標が決められることが多い成果主義は働く側に厳しい制度と思われがちですが、働く女性たちはむしろこの変革を歓迎しているという側面があります。今までは成果主義の影の部分に焦点をあてて着ましたが、今回は光の部分に目をむけることとします。
日本経済新聞が2004年に実施した「働く女性についてのアンケート」(回答=30―40代の女性社員493人)では成果・能力主義の人事制度について37.7%が賛成し、「やむを得ない」を加えると8割強の女性が肯定しました。
NIKKEINET の「smart woman仕事と生きる(2005年6月23日)」という特集の記事によると、
「年功序列の人事制度も良い点はあるが、私には合わなかった。前の会社は年功序列の色が濃く、新しい提案をしても『前例がない』と受け入れてもらえなかった」という女性や 「頑張れば頑張っただけ報酬などの見返りもある。『女性だから』と甘やかされる職場より、性差がなく働ける企業が私には合っている」と強調する女性が登場しています。
この記事によると、『成果主義の基本は1年ごとに、その年の課題や目標を事前に決めて、その達成率が人事評価に反映されること。中には成果主義と、労働者側から仕事内容やポストを申告できる自己申告制を併用している企業もある。そんな場合、制度をうまく使えば、出産や子育てで仕事と家庭にかける比重が変動することが多い女性は、ライフステージに応じて仕事の軽重を自己調整できるいう。
ただし中央大学教授の金谷千慧子さんは「成果主義で男女は平等のようでもあるが、機会の与えられ方に差があれば当然、成果に差がでる。それを理由に女性を職場から閉め出すことも可能だ。成果主義の運用方法には慎重な配慮が必要」と注意』と書かれていました。
また一般的な意見では成果主義は若い人の支持率が高いともいいます。年齢とともに上がる右上がりの賃金カーブは終身雇用意識の希薄な若い人には不満であり、それだけに成果主義制度を導入したが激変緩和措置などで期待通りの報酬に一気にならなかったという若い人からの批判も一部には生じているようです。
私自身も若いときにはなぜ自分の方が夜遅くまで働き会社に貢献しているのに、終業時刻が来るとすぐに帰宅する年配者の賃金がはるかに高いのは納得できないと思っていました。入社直後ならばいざ知らず30歳くらいになると、ベテランと仕事内容はそう変わらなくなります。しかしそれでも賃金はまだ格差がある。世代間の処遇の格差が理解できなくなるのです。
こうしたことは年齢別賃金では解決できません。やはり同一労働同一賃金という大原則が意味を持ってくると思います。成果主義下の賃金は、同一等級下での格差拡大に目が行きますが、年齢や勤続に応じて広がる格差の是正にも一役買っているという側面も無視できません。年齢別に平均者の賃金カーブを見ると以前よりも凸型カーブになっており、初任給に対する高齢者賃金の倍率も縮小してきています。
このように成果主義はすべての人にマイナスの影響をもたらし反対の意見があらゆる階層にあるのではなく、今まで年齢別賃金や年次的運用により仕事や昇格、賃金等で実力や実績があったのに低い評価や賃金に甘んじていた女性や若手社員等にとっては、大きなチャンスと映っているともいえます。
成果主義とは何なのか(9)
atc-1803
column:column_labor:column_tax_general
2005-09-19
成果主義とは何なのか(9)
4.成果主義のプラス側面
数値目標が決められることが多い成果主義は働く側に厳しい制度と思われがちですが、働く女性たちはむしろこの変革を歓迎しているという側面があります。今までは成果主義の影の部分に焦点をあてて着ましたが、今回は光の部分に目をむけることとします。
日本経済新聞が2004年に実施した「働く女性についてのアンケート」(回答=30―40代の女性社員493人)では成果・能力主義の人事制度について37.7%が賛成し、「やむを得ない」を加えると8割強の女性が肯定しました。
NIKKEINET の「smart woman仕事と生きる(2005年6月23日)」という特集の記事によると、
「年功序列の人事制度も良い点はあるが、私には合わなかった。前の会社は年功序列の色が濃く、新しい提案をしても『前例がない』と受け入れてもらえなかった」という女性や 「頑張れば頑張っただけ報酬などの見返りもある。『女性だから』と甘やかされる職場より、性差がなく働ける企業が私には合っている」と強調する女性が登場しています。
この記事によると、『成果主義の基本は1年ごとに、その年の課題や目標を事前に決めて、その達成率が人事評価に反映されること。中には成果主義と、労働者側から仕事内容やポストを申告できる自己申告制を併用している企業もある。そんな場合、制度をうまく使えば、出産や子育てで仕事と家庭にかける比重が変動することが多い女性は、ライフステージに応じて仕事の軽重を自己調整できるいう。
ただし中央大学教授の金谷千慧子さんは「成果主義で男女は平等のようでもあるが、機会の与えられ方に差があれば当然、成果に差がでる。それを理由に女性を職場から閉め出すことも可能だ。成果主義の運用方法には慎重な配慮が必要」と注意』と書かれていました。
また一般的な意見では成果主義は若い人の支持率が高いともいいます。年齢とともに上がる右上がりの賃金カーブは終身雇用意識の希薄な若い人には不満であり、それだけに成果主義制度を導入したが激変緩和措置などで期待通りの報酬に一気にならなかったという若い人からの批判も一部には生じているようです。
私自身も若いときにはなぜ自分の方が夜遅くまで働き会社に貢献しているのに、終業時刻が来るとすぐに帰宅する年配者の賃金がはるかに高いのは納得できないと思っていました。入社直後ならばいざ知らず30歳くらいになると、ベテランと仕事内容はそう変わらなくなります。しかしそれでも賃金はまだ格差がある。世代間の処遇の格差が理解できなくなるのです。
こうしたことは年齢別賃金では解決できません。やはり同一労働同一賃金という大原則が意味を持ってくると思います。成果主義下の賃金は、同一等級下での格差拡大に目が行きますが、年齢や勤続に応じて広がる格差の是正にも一役買っているという側面も無視できません。年齢別に平均者の賃金カーブを見ると以前よりも凸型カーブになっており、初任給に対する高齢者賃金の倍率も縮小してきています。
このように成果主義はすべての人にマイナスの影響をもたらし反対の意見があらゆる階層にあるのではなく、今まで年齢別賃金や年次的運用により仕事や昇格、賃金等で実力や実績があったのに低い評価や賃金に甘んじていた女性や若手社員等にとっては、大きなチャンスと映っているともいえます。

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