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【芸能・社会】

円楽、横浜にぎわい座で高座復帰 歌丸師匠に憎まれ口&感謝

2018年10月13日 紙面から

肺がんの手術後初の高座に復帰し記者の質問に答える三遊亭円楽=横浜市で(稲岡悟撮影)

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 初期の肺がんを公表した落語家の三遊亭円楽(68)が12日、横浜市の「横浜にぎわい座」で復帰公演を果たした。5日に手術を受け「大成功」と報告。「短命」と「浜野矩随」の2演目を満員の観客の前で披露した。7月に亡くなった桂歌丸さんに対して憎まれ口たたきつつ、感謝の言葉を述べた。

 はなし家らしい、愛と笑いに包まれた復帰宣言だった。5日に約3時間の手術を受け、11日に退院。そして、師と仰ぐ歌丸さんのお別れ会の日に高座を務めた「横浜にぎわい座」で即復帰。不思議な縁を口にした。

 「葬式の時もここ、退院後の最初もここ。あのおじいさんふざけてんね…。死んでまで、俺をからかってやんの」

 定期的に受診している人間ドックで肺がんが見つかったという。「歌丸師匠に呼ばれたと思った。(がんと)分かった時に『ふざけんなよこのくそじじい』って笑点の時みたいにマジで言ったよ。その後ろにうちの師匠(五代目三遊亭円楽)も見えてね。『俺も肺がんだったんだよ』って」。含み笑いしながら回想した。

 ただ、憎まれ口の後には感謝も。「戻って来られたということは、歌丸師匠が呼んだのではなくて、(がんを)見つけてくれた。『楽さん、帰って落語やってくれよ』と言ってくれたかもしれない。悔いのないように落語界へ恩返ししたい」。愛情のこもった言葉を口にした。

 9月28日の肺がん公表後には、「静かに手術に向かわせてください」と周囲に頼んだという。「本当に静かでね。俺、友達いねーんじゃねいかって。キャラクター通りの気持ちになったよ」と苦笑。復帰公演を終えると、「肺のリハビリにいいね」と話し、歌丸さんのいる空に向かって「くそじじぃ~」とうれしそうに叫んだ。

 

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