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南極観測隊の岡本さんが講演 曳馬小学校で

南極の氷を手に興味津々の児童=浜松市中区の曳馬小で

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 南極地域観測隊員の話を聞く「南極クラス」が十二日、浜松市中区の曳馬小学校であった。「越冬隊」の一員として約一年半滞在した岡本裕司さん(37)が六年生約百四十人を前に講演し、現地で感じた自然の美しさや仲間の大切さを伝えた。

 岡本さんは大工としてミサワホームに勤務する。二〇一六年十一月~今年三月、日本の昭和基地で「基本観測棟」の建設を担った。

 講演では滞在中に撮った写真や動画を紹介した。ペンギンやアザラシ、真っ白なユキドリといった生物から氷山や満天の星、オーロラなどの自然まで。児童は「うわ、きれい」「すごい」と歓声を上げた。

南極で撮影した星空の写真を見せる岡本裕司さん=浜松市中区の曳馬小で

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 体験コーナーで児童は、厚手の上着や帽子を身に着けた。南極から持ち帰った氷のかけらを触った際には、岡本さんから「二万年前の空気が詰まっている」と説明され、興味深げに氷の匂いをかいだ。

 一方、氷が割れて海に落ちかけたり、猛吹雪で息ができなくなったりした恐怖を語った岡本さん。大工は自分だけで孤独も感じたが、隊員の内科医や料理人たちに仕事を手伝ってもらい、悩みを打ち明けて「家族のような友たちと巡り合えた」と振り返った。児童たちには「手を挙げないでチャンスを逃していないか」と問い掛け「失敗を恐れず挑戦しよう」と語った。

 南極について、テレビで見れば満足だったという今原総一郎さん(12)は「行きたくなった。これからもっといろんな挑戦をしたい」と意気込んだ。

(鈴木凜平)

 

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