ボクシングの前IBFスーパーバンタム級王者で、8月に行われた同級2度目の防衛戦で判定負けした岩佐亮佑(28)=セレス=が12日、千葉県柏市の所属ジムで記者会見し、現役続行を表明した。9月下旬に決断し、今月からジムワークも再開したという。
「8割ぐらい引退に傾いていたが、応援してくれる人たちに『世界王者になるのを間近で見られて満足した。これからは自分のためにやりなよ』と言われ、肩の荷が下りた。大好きなボクシングをのびのびやろうという気持ちになりました」
昨年、王座奪取のご褒美としてスポンサーから贈られたフェラーリも返却。走行距離わずか1000キロで手放すことになった愛車に「また乗るためにも王座に返り咲かないと。残り少ないボクシング人生、全力疾走で」と決意をにじませた。
今なおIBFランク3位(1、2位は空位)で、陣営は再起戦での指名挑戦者決定戦出場を目指す方針だ。
7日にはWBAバンタム級王者・井上尚(大橋)の70秒KO劇を現地で観戦。「進退で揺れてる時にあれを見たら(衝撃で)引退してましたよ」と報道陣を笑わせたが、「来年、尚弥くんがスーパーバンタム級に上げてワールド・ボクシング・スーパーシリーズが開催されたら覚悟が決まる」と、怪物との対戦も視野に表情を引き締めた。 (藤本敏和)