清潔観溢れるシンプルな外観。
足裏から伝わる温もり。
家中温度差のない快適性。
宿泊体験にて一条工務店の虜となった。
そこから本格化する打ち合わせ。
月1~2回のペースで半年通い、我が家が出した答え。
『一条工務店では家を建てない』
- 費用面
- 自然と戦う家
- 機械で制御された家
- デザインが単調
- 契約を迫られる感覚
- 坪単価値上げへの不信感
これら6つの理由から、我が家では一条工務店を候補から外した。
あくまでも私の個人的な感想であり、もちろん良い所もたくさんある。
しかし一条工務店を選択しなかったということは、それなりに理由があるからだ。
一条工務店にて建てられた・契約された方が読まれると不快に思われるかもしれないので、それを承知で読み進めて欲しい。
①費用面
全面タイル張り・全館床暖房・ロスガード・トリプルガラス+樹脂サッシ…
他社では高額オプションとなる設備を標準仕様とするi-smart。
W断熱やハニカムシェードを始め、i-smartと同じ仕様の家を建てるとなると一条工務店の方がはるかに安価。
同等の家を建てるとすればコスパが良いのは間違いない。
我が家が一条工務店から頂いた見積書は30坪で2,450万円。
坪単価81万円。
コチラがその内訳↓
一条工務店坪単価公開!コミコミ坪単価は81万円!
コスパが良いのは理解できるが、それにしても高い。
我が家の懐事情では予算オーバー。
②自然と戦う家
『冬を主とした家づくり』
日本という土地柄、夏よりも冬に重きをおいた家づくりの方が失敗は少ない。
電気代で見ても夏より冬の方が高いのも要因の一つ。
断熱・気密性能やランニングコストの低い床暖房など、冬場のi-smartは素晴らしい。
他のハウスメーカーではなかなか真似できない。
しかし問題は夏。
軒・庇を好まないi-smartは、夏の日差しを迎え入れる。
ハニカムシェードもあるが、室内で熱を遮るよりも室外で遮る方が効率が良い。
入り込んだ熱は高性能なゆえ、室内に蓄積され続ける。
窓配置・西日対策・通風性を考えないi-smartの間取りをよく目にする。
高性能に絶対の自信を持つ一条工務店。
だからこそ自然の恵みを活かした家づくりが苦手に感じてしまう。
現に営業マンの口からは
「窓を開けないで下さい。その方が空気は綺麗だし室温もちょうど良いです」
平気でこのような事が言われる。
またi-smartを建てた方のブログからは
「24時間冷暖房を実践しており、窓を開けられない」
といった声をよく目にする。
夏も冬も窓を開けれない日ばかりだろうか?
時には快適な気温のときもあれば、掃除をするとき窓を開けたい。
少しの時間でも窓を開け、風を通し、室内の空気を入れ替えると気持ちよくなる。
それらを全てロスガードに任せる事は本当に良いことなのだろうか。
③機械に制御された家
一条工務店に限ったことではないが、ロスガード・床暖房・太陽光発電と高額機器をふんだんに取り入れた家に違和感を覚えた。
『家を買いに来ているのか?電化製品を買いに来ているのか?』
そんな感覚。
電化製品はいつか寿命が来る。
10年後かもしれないし、20年後かもしれない。
であれば家に組み込むのでなく、代えのきく物をその都度ベストな選択をしていきたい。
その方が将来的にも時代の流れに対応しやすい。
何より電化製品をメンテナンスして使い続けても、20年・30年もつイメージがつかない。
いつか使わなくなるか、大金を払い交換するだろう。
しかし家を購入当時に組み込んでしまっては固定資産税も永遠に高いまま。
電化製品だけでなくとも室内を快適にする方法はたくさんあるのに。
それは後術していくが、i-smartは機械に頼りすぎている事に間違いはない。
④デザインが単調
初めてi-smartを見たときは感動だった。
白く爽やかで大人格好良いハイドロテクトタイルの外観。
御影石天板のキッチンを始めとした豪華な内装。
まるで高級ホテルに来たかのような感覚。
しかしそれは時間と共に『飽き』へと変わっていった。
一条工務店に惚れ込んでいた当時の私は、様々なi-smartを見るべく各地のモデルハウスを訪れ、見て話を聞いた。
すると同じような内外観に
『なんか違うな…』
そんな感情をもつようになった。
どこのモデルハウスも同じような外観。
街中でも気付く一条工務店の家。
性能だけでなく、どこかオリジナリティが欲しくなった。
内装は工夫次第である程度は自分の色を出せるのかもしれないが、選択肢は極めて少ない。
考えが片寄らないように
ちょっとここで一休み。
『一条工務店の家が我が家のベストな選択なのか』
この答えを見つけるため様々なハウスメーカー・工務店・建築士を訪れ話を聞いた。
また本も数えきれない程読んだ。
そして知った家づくりの奥深さ。
注文殺到の意匠派人に建築士の話を聞いたとき驚かされた。
『家づくりに答えがあるなら教えて欲しい』
ここまで洗礼された家をつくっているのに、まだ答えを見つけられていないのか。
そして気付かされた。
『私のような建築素人が完璧な家を建てることは出来ない』
ならば後悔してもいいから自分の色を出していこう。
理想
様々な経験から少しずつ見えてきた理想。
現時点で私の理想はこう。
我が家の元気の源はママ
ママの笑顔で家族全員が幸せになれる。
ならばママが笑顔になれる家をつくろう。
家の快適性・居心地のよさは性能だけではない
光・風・温度・視覚・動線・家具etc…
様々な要因が立体的に絡み合い生まれる。
これらを複合的に考え家をつくろう。
自分達の性格を見つめ直し、最適な間取り・空間を見つけ出す
住む人が変われば家も変わる。
その家に住むのは私たち家族。
ならば我が家にしか合わない家をつくる。
これら3つの理想を共に考え、提案してくれる建築業者と家づくりをしたい。
それでは続きをいこう。
⑤契約を迫られる感覚
我が家は家づくりにかけられる時間が、当時はまだ2年も残っていた。
しかし営業マンからは
「毎月のように坪単価値上げが実施されています。仮契約が来月になると更に値上がりします」
何か急かされている気持ちになり、焦る自分がいた。
更に追い討ちをかけるように
「2019年10月から消費税増税です。建築業界では2019年3月までに仕様を確定させ本契約しないと、増税後の税率が採用されます」
ちょっと待って欲しい。
仮契約をするか悩んでいるのに、その先の本契約まで急かすつもりか。
こっちにほまだまだ時間があるのだから…
営業マンは私を急かしたのではなく、損をさせない最適な提案をしてくれたのだろう。
現に坪単価は上がり続けていた。
現在はリサーチを止めてしまったが、今でも坪単価が上がり始めているらしい。
他のハウスメーカーは値上げをしていないのに…
坪単価値上げへの不信感
なぜこんなに坪単価を上げ続けるのか。
営業マンいわく、東京オリンピックに向けて資材高騰分と人材流出を防ぐため。
確かにみなし労働時間制度を悪用し、残業代を一定額しか支払わない一条工務店。
もっと労働者を大切にすべき。
【一条工務店】営業マンが悲鳴!いくら残業しても月24,500円!
また別の理由もあった。
一条工務店が『8社会』と呼ばれる建築業界を国と共に支える組織から良く思われていないこと。
積水や大和を始めとした大手ハウスメーカー8社+国が求める家以上の家をコスパ良く提供。
これでは今まで日本の建築業界を支えてきた8社だけでなく、日本の経済を支えてきた家に携わる企業全ての存続が危うくなる。
そのため一条工務店にお客が集まりにくくする政策を打ち出したりしている。
そのため一条工務店は8社会+国に歩み寄るため坪単価を上げざるをえなかった。
[https://www.to-ichi.online/entry/2018/06/09/一条工務店急成長の理由と『待った!』をかける:title=一条工務店急成長の理由と『待った!』をかける大手ハウスメーカー8社
]
個人的にはこのような逆境にも負けず、施主を思った家づくりをコスパ良く続ける一条工務店を応援したい。
そしてどの建築業者も一条工務店と違った形であれ、価格を抑えてより良い家を提供して欲しい。
ハウスメーカーではなかった
これら6つの理由から一条工務店での家づくりを選ばなかった。
また今になり気づいたが、ハウスメーカーでの家づくりをやめたのかもしれない。
ハウスメーカーが高い理由・工務店が安い理由~金額差300万円~
ルールや時間に縛られた家づくりでなく、ゆっくりと我が家に合った家づくり。
これを叶えてくれるのは、建築士や地元の工務店だと判断したのだ。
おわりに
我が家には合わなかった一条工務店。
ただ何よりも性能や安心感、コスパを求めたい人にはオススメ。
家づくりに一番必要なことはその家庭により異なる。
私は上記で挙げた3点だ。
しかしこの理想は1ヶ月や半年で見つかったものではない。
私は1年半かかった。
家づくりを始めた頃は見るもの全てが新しく感動するだろう。
ただ家族内で何度も話し合い、自分達の理想を見つけることができたら、きっとその理想は最初の感動とは異なる結果になるのではないだろうか。
なので家づくりは焦らないで欲しい。
ハウスメーカーだけに片寄らないで欲しい。
人生最大の買い物と言われる『家』なのだから。
皆さんが自分たち家族の理想を見つけ出し、その理想を叶えてくれる建築業者と出会えることを心から願っています。