<第2章 モータを回してもーた 後編>
ハードもちょこっと解るオッチャンの投稿…
先に記述しておきますが、
参考にして回路を作成し、何かしら問題が発生しても、
株式会社トラスト及びオッチャンは保障いたしかねます。
御自身及び周辺への配慮などの御注意をおねがいいたします。
前編はPWMとモータドライバチップの紹介でしたので、
本題のラズパイに関する箇所と行きましょう。
では回路に進みましょう。
おさらい含めて、キーとなる「モータドライバチップ」の周りから。
安全設計としてダイオードを追加しております。
1、[7]VCC と [5]GND
素直に電源となる乾電池から直行です。
安全を踏まえてダイオードを直前に配置。(別に無くてもOK)
2、[2]OUT1 と [6]OUT2
素直にモータへ直行です。
3、[3] FIN と [4]RIN
片方 HIGH もう一方が LOW の場合は回転。
両方 LOW だとニュートラルで、
両方 HIGH ならブレーキとなる。
GPIOで制御したいので、リレーの共通へ接続。
a接点でLOW b接点HIGH になるように配線。
これは電源投入時はブレーキのモードで、モータが回らないようにする安全設計です。
続いて、VREFの回路です。
何をしているかというと…
リレーでVREFの電位(電圧)を切替えております。
具体的に抵抗値を
抵抗A 300Ω
抵抗B 150Ω
抵抗C 600Ω
と決めて解説をするならば、
リレーがOFFの時
合成抵抗は450Ω(300Ω+150Ω)となり、該当回路に流れる電流は0.02Aとなります。
つまり、抵抗A 300Ω には 0.02A の電流が流れるので、
オームの法則から、6V(300Ω×0.02A) の電圧が消費される事となります。
(「電圧降下」という)
さらに抵抗B 150Ω も同じく 0.02A の電流が流れるので、
3V(150Ω×0.02A)の電圧が消費されて、合計で9Vの電圧が消費される事となります。
これを「分圧」と言います。
分圧の結果から、VREFには3Vの値となります。
リレーがONになると、
合成抵抗が900Ω(300Ω+600Ω)で0.01Aの電流が流れるので、
同様の計算を行って、
抵抗Aでは3Vの電圧降下
抵抗Cでは6Vの電圧降下 となり、
VREFは6Vの値となります。
念のために抵抗にかかる電力を確認しておきましょうか。
リレーOFFの時
抵抗A 電圧降下6V×0.02A=0.12W
抵抗B 電圧降下3V×0.02A=0.06W
リレーONの時
抵抗A 電圧降下3V×0.01A=0.03W
抵抗B 電圧降下6V×0.01A=0.06W
すべてで0.25W未満ですので、一般的な抵抗(4分の1W、通称「シブイチ」)で問題ないですね。
もし1桁抵抗値を下げると、0.25Wを超えるので、
シブイチでは焼け落ちてしまいます。(焼損)
しかもリレーOFF時の抵抗Aに至っては、1.2Wになるので、2Wの大きな抵抗が必要に。
きちんと計算しておかないと、最悪なら火災になってしまうので、
たかがラズパイ用の回路で家屋を焼いては割りに合いませので、必ず確認をしてください。
話を戻して…
要するに、リレーを切替えることで、デューティー比が変わるので、
GPIOの25のON-OFFで「低速」と「高速」が切替えとなります。
これの回路を実際に作って…
みたものがコレになります。
試しにミニ四駆のモータを回しておりまが、静止画で御容赦ください。
注意点としては、
快調にモータが回っているときに、ブレーキのモードになると、
急激に止まり衝撃があります。
惰性(ニュートラル)で落としてからブレーキにするようにしてください。
前後編に分割してお送りしました、「モータをまわしてもーた」は、ここまでといたします。