『男色比翼鳥』巻1の2の続きだよ♪
奥村幸手軒の男色賛美の続きだよ!
※この記事では、国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しております。
男色比翼鳥 6巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション
※画像はクリックすると拡大します。
【翻刻】
女房ハ持べきものにてなし妻子ハ三界の首(くひ)かせとふるき
親父の云けるも断也軍(いくさ)の門出にも名残りをおしミな
きかなしミけるに腰(こし)をぬかし共に泪(なミた)を袖にひたす其(その)
心よりおもハぬちじよくを取事みなさいしのなすわざぞかし
百性町人もさのごとし女にまよひいまだ三十にたらで
ぢんきよろうかひの病にうかされあたら命をなくすのミ
未来(ミらい)迄念をのこし中有(に)迷(ま)ふもの多し若道のあり
がたさにハさやうなる二念もなく兄分軍に立ば若
衆もつきそひ共/\にうち死し名をばんてんに揚(あけ)
百性町人とても若道ハ男と若(をとこ)のつめひらきなれば
いのちをすて義理(ぎり)を守り互にいきぢをミがき合頼
もしき事言葉にもつくしがたし四つにハ念友人の
※赤字が前回のくずし字クイズの答えです。
【現代語表記】
女房は持つべき者にて無し。
妻子は三界の首枷(くびかせ)と古き親父の言いけるも断[理](ことわり)なり。
軍(いくさ)の門出にも名残りを惜しみ、泣き悲しみけるに、腰(こし)を抜かし、共に泪(なみだ)を袖に浸す。
其(そ)の心より、思わぬ恥辱を取る事、皆、妻子の為す業(わざ)ぞかし。
百姓、町人も、然(さ)の如し。
女に迷い、未(いま)だ三十に足らで、腎虚(じんきょ)、労咳(ろうがい)の病に浮かされ、可惜(あたら)命を無くすのみ。
未来(みらい)迄念を残し、中有(ちゅうう)に迷(まよ)う者多し。
若道の有り難さには、左様(さよう)なる二念も無く、兄分軍(いくさ)に立たば、若衆も付き添い、共々に討ち死にし、名を万天に揚(あ)げる。
百姓、町人とても、若道は男と若(おとこ)の詰め開きなれば、命を捨て、義理(ぎり)を守り、互に意気地を磨き合う。
頼もしき事、言葉にも尽くし難し。
四つには、念友、人の
【さっくり現代語訳】
女房を持つべきではありません。
「妻子は三界の首枷(くびかせ)」[妻子のために全てが束縛されてしまう][「子は三界の首枷」ということわざをもじる]と、昔のどっかの親父が言ったのも、もっともです。
勇んで戦(いくさ)に出ようとする時でも、妻子は名残りを惜しんで泣き悲しむので、ついつい力が抜けて、一緒に涙を流してしまいます。
すっかり感傷に浸ってしまったがために、気もそぞろになって思わぬ不覚を取り、無駄に討ち死にしてしまうのです。
これは全て妻子がいるせいです。
農民や町人も同様です。
女にハマると、まだ三十歳にもならないうちに、腎虚(じんきょ)[チョメりすぎて衰弱]や労咳(ろうがい)[肺結核]などという病気にかかって、無駄に命を無くしてしいます。
そして、多くの者が、死んだ後でも怨念が残り、成仏できずにウロウロさまようハメになるのです。
男色はありがたいことに、そのような邪念は生じず、兄分が戦(いくさ)に出ると、弟分も付き添い、共に戦って果敢に討ち死にし、天下に名を残すのです。
農民や町人であっても、男色は大人(おとこ)と若衆(おとこ)が気持ちをぶつけ合うので、命を捨てることも惜しまず、義理人情を守り、互いに心を磨き合うのです。
言葉には現せないほど、頼もしいことではありませんか。
そのヨン様っ!~~~
【解説】
江戸時代の身分は士農工商と言いますが、工商はひっくるめて町人とされて、実際は、ここでのように、武士、農民、町人の三分類で書かれている場合が多いです。
「若」とかいて「おとな」と読ませていますが、これは「漢」と書いて「おとこ」と読ませる、かつての少年マンガで見られた手法の先駆けですね(笑)
あのお、もう特に解説することもなくなってきたのですが(笑)
腎虚やら労咳は前にも同じようなこと言ってるし!kihiminhamame.hatenablog.com
奥村幸手軒よ、いいかげんに話を終わらせてっ!(笑)
次回予告とくずし字クイズ
やっと五つ目のようですね。
「?」の字は二つの文字を合わせて一文字にした合略仮名です。
三つ目コーナー
クイズで五つ目って言ったあとに、三つ目コーナーってなんか混乱するね。
ああ、さらにややこしくなった。
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