はじめに。
いつの間にかお受験することになっているナツオ@6歳。本人は近所の小学校に行く気満々だが、通える範囲内にお受験小学校があるとのことでいつの間にかお受験が我が家(妻&義父母)の既定路線に。しかし、お受験とは言ってもお受験予定の小学校は抽選→試験→また抽選という選考内容なので落ちて当然、受かればラッキー程度のもの。倍率は毎年50倍前後らしいからそうそう受かるとは到底思えない。その小学校は義父の母校なので義父母は気合い入っているが、思い入れも何もない私は正直蚊帳の外。義父母に促されて妻もその気になりはじめている。
そんなわけだし、私はもともとお受験には反対(地元の小学校で友達作った方が楽しいと思う派)なので基本的にはノータッチ。すべて妻と義父母がやってくれている。私の知らないところでナツオの願書が既に提出されていた。私は提出した願書すら見ていないってのに。
めくるめくアナログな世界。
上記のように私はノータッチのお受験ではあるが、システムを聞いているとあまりにも、あまりにもアナログ過ぎて驚いてしまった。それともこれがお受験では当たり前なのか。ただ私が時代錯誤なだけ?このアナログすぎるシステムがある種の選考なのかと勘ぐってしまいたくなるほど。受験と聞くと大学受験の時のイメージでいたけれどとんでもない。
お受験ってのは「受験してください。」というよりも「受験したければどうぞ。」なスタンスなのね。少子化の世の中だからどの学校も受験生獲得の為にあれやこれやと必死だと雑誌等で読んでいたがお受験の世界はそうではなかったようで…。
その1。願書の手に入れ方。
まずは願書の手に入れ方。指定された日の指定された時間に学校まで出向いて受けとる。この時点でもう驚いた。願書を直接取りに行く必要ってなんなんだろう。しかも指定された限られた日時に。もちろん平日。妻が有給を利用して受け取りに行ったのだが配付開始時間に合わせてオンタイムで行ったら既にもの凄い行列だったらしい。配付時間の30分前に並んでいたママ友いわく、余裕を持って30分前に着いたら既に大行列だったので慌ててならんだとのこと。大行列ではあったが配付時間に合わせて出かけた妻も無事に願書を受けとることはできたので行列に意味はないとは思うのだが、大行列の様子を聞くとこのならび順が合否を左右しているのだろうかと疑りたくなってしまう。
その2。お受験料の支払い。
受験の申し込みにあたって当然ながら受験料を納めるのだが、その納め方もまたアナログ。銀行の窓口で振り込み手続きをして、銀行の領収印をいただかなければならないとのこと。そして領収印がついた振り込み用紙を願書に添付して提出。まじか。全銀協が本気を出し始めてオンラインバンキングが365日24時間対応になりつつあるニュースが話題になっている昨今なのに窓口での振り込みだと。ATMやオンラインバンキングじゃなんでダメなんだろう。どちらも振り込み完了の用紙やページを出力できるから同じだと思うのだが。あれか。これは島国日本が生んだ偉大なハンコ文化を踏襲しているのか。出力したものだとコピーかオリジナルかわからないので銀行印がなければすべて無効ってことなのか。これまた色々とつっこみたくなる。
その3。願書の提出方法。
この流れで来れば予想できるが、もちろん願書は持参して提出。郵送など認めん、持参して参れとのこと。もちろん提出も日時指定で平日のみ。受領時に不備がないか書類のチェック等があるかもしれないからしかたないのかもしれないが、なにかうまくできないものだろうか。なんでネットや郵送ではいけないんだろう。
その4。合格発表。
もう言わずもがな。会場で発表される合格番号を確認した上で次の選考手続きをしなければならない。ここまでの流れを聞いたのでもう想定の範囲。とにかく学校に来てくれってことなのね。入学前にこれだけ学校に行けば愛校心も湧いてくるだろう。きっとちゃんと合理的な理由があるはずなんだろう。
おわりに。
このお受験の一連の流れを聞いて驚いてしまった。これがお受験の世界では当たり前だったらお恥ずかしいかぎりで、ただの私の勉強不足である。しかし、客観的に考えるとどうしてもつっこみたくなることばかり。なんでITを活用しないんだろう。なんで郵送ではいけないんだろう。会社では「生産性向上」の為に部署ごとにアクションプランを作成し、少しでもムダを排除して業務を効率的にできないかを毎月考えているので余計にこのお受験システムに驚いてしまった。確実に平日が何日も潰れてしまうシステム。お受験に関しては前述の通り私はノータッチなので妻が有給を利用したり義父母に協力してもらったりして願書の受け取りから、受験料の支払い、願書の提出までを終えたとのこと。それぞれ一回当たりの拘束時間は短いとは言え、確実に平日の時間をとられている。
これはあれか。お上への忠誠心を確認しつつ各家庭の本気度を試すとともに、専業主婦、専業主夫のいる家庭以外は難しいですよというお上からのメッセージなのか。一億総活躍社会ってのはこういう意味だったのか。願書の受け取りから合格発表までにいったいどれくらい家と学校を往復するのだろう。平成の最後まで受け継がれる参勤交代制度。
なんて驚きを抱くとともにやはり「選ばれる」立場ってのは強いんだなと実感。我が家でも私以外は全く違和感を抱いていないよう。人気校なのでこのシステムが当然かのように受け取られている。選ばれる立場だからこそ自分のやり方を貫き通せるし、それについてきてくれる人がいる。
ナツオのお受験の行方はまだまだわからないが、たとえ良くない結果だとしてもどうやら私にとってはお受験して損はなかったと言えそうだ。ブランディングについてじっくりと身をもって考える良い機会をいただけたのだから。お受験しなければこんなに真剣に考えることもなかっただろう。