はやぶさ2着陸延期、19年1月以降に 地表に岩石多く

科学&新技術
2018/10/11 16:48
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、探査機「はやぶさ2」の小惑星「りゅうぐう」への着陸を2019年1月後半以降に延期すると発表した。当初は10月下旬の予定だった。着陸を目指す小惑星の地表が岩だらけで、安全に降り立つにはさらに調査を続ける必要があると判断した。

探査機「はやぶさ2」の模型

りゅうぐうの地表は岩だらけ(JAXAなど提供)

JAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは「りゅうぐうの地表は全域が岩石ででこぼこだ。りゅうぐうが牙をむいてきた。今のままでは歯が立たない。いったん立ち止まって、対応を考えたい」と語った。当初着陸を目指した10月下旬は、地表に近づくリハーサルにあてる。

はやぶさ2は14年に日本から打ち上げ、6月27日にりゅうぐうに到着した。ここまで計画通りに進んでいた。生命誕生の謎に迫る岩石を20年末に地球に持ち帰るという壮大な目標に向けて、最初の試練を迎えた。

着陸を目指すのはりゅうぐうの赤道付近。岩石が少ない着陸候補地は限られるが、機体の一部が地表に触れるまで降下する。機体の下に伸びる筒型装置を地表に押し付けるなどして、舞い上がる岩石の採取を試みる。

計画では19年末までりゅうぐうにとどまり、水分や有機物を含む岩石の採取を目指す。20年末に地球に持ち帰れれば、詳細な分析で生命誕生の謎に迫る。

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