河原から見上げた北陸新幹線手取川橋梁。夕日の沈む秋空に存在感を放つ=川北町朝日
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手取川に「空中都市」出現か。川北町朝日の河原に、巨大な「T」字形の構造物が屹立(きつりつ)している。秋の夕空に浮かび上がる、重厚感あふれるシルエットは、SF映画の一コマのようだが、その正体は、2023年春に敦賀まで延伸開業する北陸新幹線の橋の一部だ。
石川県内で最も長い558メートルの手取川橋梁(きょうりょう)は、新幹線金沢開業直後の15年8月に着工した。梅雨や台風で増水しやすい6月中旬から10月中旬は工事を中断するため、工期は4年半余りと長く、完成は20年4月を予定する。
工事は、「T」の縦棒に当たる橋脚の中央から両端に向かって橋桁を伸ばしていく、通称「やじろべえ工法」で進められている。橋桁が隣とつながって、既に覆いの取れた橋脚もあり、緩やかなカーブを伴った輪郭が一部あらわになっている。武骨な「T」から、機能美をまとった土木構造物へ。「脱皮」の日は近い。