東洋大陸上部1年生が告発 箱根駅伝選手から「殴られ『マジ死ねよ』」
箱根駅伝で5年ぶりの優勝を狙う東洋大陸上競技部で、今年4月に入学したばかりの1年生への暴行事件が起きていたことがわかった。被害者のX君(18)が「週刊文春」の取材に応じ、証言した。
X君は中学時代3000m走で全国トップの記録を樹立。高校時代も全国上位の活躍を見せ、今年4月、陸上部の特待生として、東洋大学に入学したばかりだった。
「陸上部に馴染めなかった自分にも非はありますが、あそこまでの暴力をふるわれる理由はなかったはずです」(X君)
取材に応じたX君 ©文藝春秋
X君の説明によれば、入部直後から寮や合宿などで“指導”が始まったという。
「毎晩、1年生は寮の掃除などの仕事をこなさないといけないのですが、僕はトイレや風呂場などの掃除について注意されることが多かった。4月には3年生で箱根駅伝にも出場していた先輩から怒られた際に、足を蹴られました」
7月以降、上級生からの指導はますますエスカレート。そして9月、新潟の山古志で行われた合宿で2年の選手から“指導”を受け、X君の我慢は限界に達した。
「練習器具を忘れたことを咎められた際、『マジで死ねよ』と首を絞められた。さすがに酷いと思って、母親に『もう辞める』とLINEで連絡しました」(同前)
9月20日、寮の会議室でX君と母親、陸上部の酒井俊幸監督、部長の間で話し合いが持たれ、“指導”に加わった先輩部員も同席し、暴言・暴行の事実を認め、謝罪したという。
だが、10月8日に「週刊文春」取材班が酒井監督を直撃すると、暴行の事実を否定した。
――暴力行為はあったのか。
「身体の接触があったのは事実。(両手で首と胸の間を触るしぐさをしながら)こういうのはありました。でも殴るとかは絶対にない」
果たして部内で暴力はあったのか。「週刊文春」は9月20日の話し合いの際、大学側が暴行を認め、謝罪している音声を入手。X君の実名告発や酒井監督の直撃インタビューとあわせ、10月11日(木)発売の「週刊文春」で、名門陸上部で起きた暴行事件を詳報する。また「週刊文春デジタル」では、問題の音声テープを同日5時より公開する。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年10月18日号)