フランス・ベルサイユ宮殿にて。写真:筆者提供

ロリータモデル兼看護師の私が、公衆の面前で「ビンタ」された瞬間

世界から悲しみが減る方法を考えてみた

カワイイのカリスマは公開出産していた

ごきげんよう、青木美沙子です。

日本発祥のロリータを世界へ広めるべく活動しています。ロリータのお茶会を主催したり、海外のイベントにお呼ばれしたり、オリジナルグッズの販売をしたり。その一方、日本では看護師としても労働しています。ナースでロリータの美沙子です。

ロリータは、日本発祥のポップカルチャーとして世界に受け入れられていますが、根っこにはフランスのロココ文化への憧れがあり、ロリータちゃんの多くはマリー・アントワネットを夢見ています。

あの時代の、キラキラふんわりゴージャスの象徴。史実はともかく、現在伝わっているマリー・アントワネット像は、ロリータの世界観とぴったりシンクロしています。もちろんわたしも彼女に憧れるひとりです。

そのマリー・アントワネットが暮らしたベルサイユ宮殿を、先日、訪れる機会がありました。水路をひいて作られた大噴水、カクカクでフカフカの芝生、行けども行けども終わりのない広大な宮殿、まさに「宮殿の中の宮殿」でした。

写真:著者提供

大興奮のわたしは、この日のために選び抜いたロリータファッションで、一秒たりとも無駄にせぬよう宮殿を歩き回りました。広大な宮殿のあちこちには各国からの旅行客がいて、日本人の団体旅行グループもちらほらいました。

ちょうど王妃の寝室、つまりマリー・アントワネットの寝室を見学するときに、日本の団体旅行客と一緒になりました。なんとなく輪に混じっていると、ガイドさんが、「……マリー・アントワネット含め、王妃の出産は公開出産となっており、多くの人が見学する中での出産でした」と日本語でお話を始めました。

 

え! 驚愕! これって人前で出産ということでしょうか。わたしは看護師でもあるので、出産現場を知っています。団体から離脱し、急いで廊下に出てスマホで情報を検索しました。自分なりにいろいろと調べたのですが、ガイドさんのお話はどうやら本当で、子供のすり替え防止等の理由で、王妃は大衆の見学する中での出産だったそうです。

いつもカワイク美しくするためには、かなり気合が要ります。マリー・アントワネットのカワイイの裏側にも、人知れぬ心労や困難があったのだろうなとは思っていましたが、まさか公開出産という苦行をかせられていたとは。彼女を思う気持ちにまたひとつ深みが増しました。