ビルを見て回る会に同行しました
ちょっと昔のビルが好きだ。窓が丸かったり、タイルがぴかぴかしている感じ。そういうのはだいたい裏通りに多くて、心が落ち着く。
そういうビルを見てまわる「東京ビルさんぽ」という会があると聞いた。同行させてもらって、ビルの見方を教わってきました。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。
前の記事:「建設現場の角のディスプレイが進化している」 人気記事:「マクドナルドが一斉に閉店した日」 > 個人サイト ツイッター(@mitsuchi) 「東京ビルさんぽ」とはどんな会か?ビルさんぽを行っているのは、「いいビルの世界」という本を書いた人たちだ。
「いいビルの世界 東京ハンサムイースト」東京ビルさんぽ・著(大福書林)
東京ビルさんぽのメンバーは、編集者、デザイナー、建築家など。今日のビルさんぽは、東京駅や日本橋周辺を見て回る予定とのこと。
東京駅に、メンバーが集合していた
待ち合わせの場所におじゃまして、同行させていただくことにした。
この日は雨だったので、このまま地下街を通って大手町へ。最初に訪れたのは大手町ビルだ。 大手町ビルヂング(1958年竣工)
名前の「ヂ」がかっこいい。地下街を上がって建物の中に入ってみるとこんなふうだった。
こういう感じのビル、たしかにある
古いビルにこういう雰囲気の通路あるな、という感じ。こういう場所で、ビルさんぽのみんなはどこを見るんだろうか。
まず見ていたのが床だ。 「ステン(レス)と真鍮を分けてるんだ、すごいな」
床に埋め込んである金属が、真鍮とステンレスを使い分けているという。よくそんなところに気づくなあ。
ステンレスのことをなにげなく「ステン」と略しているのもいい。ふだんから慣れ親しんでいるんだろうなーという感じがして、どきっとする。 ――みなさんステンレスのことをステン、ていうんですか? 「いえいえ全然、マニアパレルさんだけです」 マニアパレルさんは、メンバーの一人だ。土木関係のTシャツを企画したりしている。 近くの壁にくぼみがあった。 「電話台跡だ」という
公衆電話を置いてあった跡にみえる。
「公衆電話を照らしてたんだ。上に照明があるから。さぞかしドラマチックな電話シーンだっただろうね」 言われてみると上に穴が2つある。これ、照明の跡か。 照らされながら、誰にどんな電話をしていたのか。見る目があれば、かつての景色も想像できるんだなと思った。 「うわーこれはいい!」
階段にやってきた一行が、口々に感嘆している。
「この色もよくない?」 「いいねー、この深緑」 「シック」 階段のふちが深い緑色になっていて、真鍮の金色、人造石の白との対比がきれいだ。 照明が埋まっている
「この間接照明、もとからだよね?」
「そうだね、建築化(けんちくか)照明だろうね」 建築化照明というのは、後から照明を置くんじゃなくて、設計の段階で建築の一部として隠す照明のことだそうだ。 「大手町ビル、たのしい」 そう言いながらずっと見ている。 なるほどー。つまり、知識さえあれば見る場所はいっぱいあるし、何を見てもたのしいっていうことなんだな。
|
|
▲デイリーポータルZトップへ |