意外と知らない「ライトノベル」ブームの現在

いったい誰が、何を読んでいるのか

出版不況が続くなか、ライトノベルが好調だ(写真:ゲーマーズ横浜店)
10代の中高生をメイン読者層にとらえたライトノベルが売り上げを伸ばしている。その人気の中核にあるのはネット上の小説投稿サイトで広がったファンタジーブームだ。
少子化で参考書や教科書が売れないといわれる出版不況が続くなか、好調なライトノベルの現状に迫った。

第3次ファンタジーブーム

ライトノベルを知っているだろうか? 聞いたことはあるが、詳しくは知らないという人も少なくないのではないだろうか。

ライトノベルは、SFやファンタジーなどを含めた総合的な小説ジャンルだ。1970年代にソノラマ文庫やコバルト文庫から発生したとされる。主に若い中高生を読者層に想定し、同世代のキャラクターを主人公とした物語が多い。

たとえば、アニメ調のイラストの表紙がついた小説を書店で見かけたことはないだろうか。それがライトノベルだ。

ライトノベルのさまざまなジャンルのなかでも、ファンタジー作品の人気が業界にもたらした貢献は大きく、ライトノベルの誕生から現在まで、3度のファンタジーブームがあった。

最初のブームの火付け役になったといわれるのが、1988年出版の『ロードス島戦記』(水野良/角川スニーカー文庫)だ。その流行の追い風を受けて1990年出版の『スレイヤーズ!』(神坂一/富士見ファンタジア文庫)がライトな世界観で多くの読者を獲得し、ライトノベルの礎を築いたのが第1次ファンタジーブームだ。

第2次ファンタジーブームは、2004年に出版された『ゼロの使い魔』(ヤマグチノボル/MF文庫J)の爆発的ヒットだ。作者のヤマグチノボル氏が急病により2013年に逝去され、長らくシリーズ未完のままになっていたが、作者の遺志により出版社が遺されたプロットを基に別の作家による代筆での完結を目指し、昨年2月に最終巻が発売されて話題になった。

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  • NO NAME3d6c123f6856
    中学入った頃は本なんて読まなかったけど、友達にキノの旅を借りたらどハマりして、そこからラノベはもちろん、ハリポタやら精霊の守り人、指輪物語等の児童文学を読み漁り、一般小説に広がっていったので、私みたいに読書をするきっかけにはなるのかなと思う。今のアニメ化してるラノベはどうなのかなぁ...とは思うけども。
    up70
    down7
    2018/3/3 17:45
  • NO NAME6d031a53862e
    30代女ですが、小学生から高校生ぐらいの時は日本文学全集とか世界文学全集とかばかり読んでいました(親が許さないから)。今風の男性読者をターゲットにしたラノベを読んだのは成人してからです。
    女性向けは氷室冴子氏はぎりぎり許されたので読んでました。
    今はラノベとビジネス新書ぐらいです。
    良い文学をたくさん読めばいいというものでもないと思います。
    「狼と香辛料」面白いですよ。為替制度とか出てきてうなったこともありました。
    「デュラララ!!」なんかも集団になった時の悪意がよく書けてたように思います。
    何が言いたいかというと、ラノベのせいで大人になれないわけでも、馬鹿になるわけでも、社会性が無くなるわけでも無いので、娯楽としてカジュアルに受け止めたらどうでしょうか?
    「○○歳なのにラノベなんか読んで!!」というようなコメントは残念に思います。
    up60
    down8
    2018/3/3 21:26
  • NO NAME8d019b7ece94
    30年ぐらい前だと仮想戦記がはやった話か?
    企業から見ればいい金脈を見つけたといって、やたらとかき回して焼畑農業で焼き尽くしてしまい最後は”火葬戦記”と言われていたけどな。
    言っても作家連中もほぼ絶滅状態だろうな。
    また同じ道を歩むのだろうな。
    up62
    down16
    2018/3/3 13:22
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