(英エコノミスト誌 2018年10月6日号)
中国の投資がEUに大量に流れ込むなか、ヨーロッパ人は心配し始めている。
欧州が中国から注目されている。
中国の対欧投資は2016年、360億ユーロ(約4兆7220億円)に急伸した。それまでの数年間の合計のほぼ2倍に当たる金額だ。
2017年には、中国による外国直接投資(FDI)の総額が減少したが、欧州向けが占める割合は5分の1から4分の1へと逆に大きくなっている。
大抵の場合、この資金は好ましい。欧州と中国の通商関係は双方を豊かにしてきた。
しかし、中国はその財力を利用して、政治的な影響力も買っている。チェコ共和国のミロシュ・ゼマン大統領は、自国を欧州における中国の「不沈空母」にしたがっている。
また昨年にはギリシャが国連のあるフォーラムで、中国の人権侵害を批判する欧州連合(EU)に待ったをかけた。
ハンガリーとギリシャは、南シナ海における中国の領有権主張を退ける判決が下されたとき、EUとしてこの判決を支持するのを防いだ。