ギルメン嫌いモモンガさん   作:エナ=フルメーン
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ヒロアカって悪役にとても魅力がありますよね。
 


第2話 モモンガさん?

 いつからだろうか…ギルドメンバーがユグドラシルにログインをしなくなったのは…。

 

 初めの頃は、ちらほらとログインだけはしていった者達は、次第にメールすらも返信せずにアカウントを消して、ユグドラシルという現実から逃げ出す者しか居なくなった。

 彼らは逃げ出す前にユグドラシルを辞めて、現実に帰ろうと訳の分からない事を言う事態に陥っていた。こちらからも、ユグドラシルへ戻って生活をしないかと、誘ってみはしたが現実があるからと矛盾した事、永遠と語るだけで話は一向に進まなかった。

 

 ギルメンがログインをしなくなってから、鈴木悟は限りなく悪い方へと狂っていた。

現実とオンラインゲームの区別が出来なくなり、現実世界において仕事の方がゲームだと思う程度にはゲームにハマっていたが、ゲームとして仕事をこなしていた。

 そんな彼を周囲の人間は可愛そうな者だと思いながらも、ゲームにハマる前よりも営業成績が上がっている事により、上司や同僚を含めて現実に連れ戻す人は居なかった。

 ユグドラシルの運営は世界の謎を解くプレイヤーを探していた。

強さのみを求めるプレイヤーではダメだ。最強になり得る可能性を託したら、最強のプレイヤーになって辞めてしまう。

  探求が趣味のプレイヤーでもダメだ。最強になり得る可能性を託したら、探険の楽しさが失われて辞めてしまう。

我々が求めているのは、ユグドラシルが無くなってしまえば、死んでしまうような異常者でありながらも、最強の力に憧れて、ユグドラシルの謎を探求し続けプレイヤーを常時求めていた

  しかし、プレイヤーの選定に苦労していた頃、あるプレイヤーの情報が運営に飛び込んできた。仲間が一人も居ないにも関わらず、ログインをし続け、自身の能力を高めようとし続ける者がいる。

 

 ギルドから完全に仲間が消え去ってから、数年経ったある日、モモンガはギルド運営に必要な資金を一人で集めていた。

 

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  そこは、ニヴルヘイムに存在する強欲な悪魔マーモン と呼ばれるワールドエネミーが存在した。

 マーモン は幻覚を得意するワールドエネミーであり、幻覚を看破するスキルや魔法を使用していても、一定の割合で幻覚をかけることが出来るのが大きな特徴ある。

 

 ただ、マーモン を倒したという称号を得るのは廃課金者ならクリアは比較的簡単である。

 ユグドラシル通貨で五億を支払う事でワールドアイテム込みで称号を得る事が出来る。

 

 入手出来るワールドアイテムは幻影の灯火。

 主な効果としては、自分が入手したいアイテムやスキルや魔法などの名称を呟くと、入手する為に必要な事を提示され、ルート案内をしてくれる事だ。但し、使い切りのアイテムの為に一回しか使用する事は出来ないが、確実に手に入るルートを教えてくれる。

 

  しかしながら、マーモンから入手出来るモノは他にも存在する。

 それは、マーモン自身である。

 マーモンには運営がある漫画よりパクっ、オマージュした設定があった。マーモンは世界の意思により呪われており、悪魔の姿に変えられた人間であるというモノだった。

 それ故に、自身の呪いを吸収できる者に生涯をかけて恩を返す意思があると、設定されていた。

 普通ならば、吸収はおろか近づく事すら出来ずに、元いた場所に返されてしまい、何も出来ずに終わってしまう。

 ワールドアイテム狙いのプレイヤーならば、ルールに則って、金貨を貢げられワールドアイテムを渡して終わりになる。

 誰もが、苦しんでいるマーモンを無視して、特定の目標を果たす為に動いている為に、マーモンの呪いは永遠に解けずにいた。

 

 いつしか、マーモンは都合の良い女として忌み嫌われていた。

 そんな無限地獄を味わっていた頃、一人のプレイヤーがマーモンの前に現れた。

 

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  私の名前はマーモン。世界から呪いを背負わされた愚かな女だ。

 誰からも見向きもされずに、事あるごとに金が欲しいんだろと、何の使い道もない金と、私の道標を勝手に取り替えていくプレイヤー共(ゴミ共)。

 

  金が無いプレイヤーにありがちなのは、即死系の魔法や攻撃系の超位魔法で絨毯爆撃をする事により、私の体力を削るという無意味な攻撃だった。

 そもそもの話、私には遠距離からの攻撃からは、幻覚を纏っている為に無効化される仕様になっている為に効かない。だからといって、近接戦になってもより強力な幻覚を纏っているので、体力は削られない。

 だからこそ、運営が私から財産を奪う方法として設定されたのが、強欲なお金好きであり、お金さえ渡せばワールドアイテムを交換してくれるという、糞みたいなモノだった。

 

  私だって、交換を拒否しようとしても、身体が勝手に交換してしまうという悪夢。

 いくら否定しても、世界が、私にこうしろと常に命令をしており、私の感情は擦り切れそうだった。そんな時、現れたのは彼だった。

 

  彼は人間でありながら、世界より決められた行動しかできない私に対して、常に喋りかけてくれた。

 確かに、表情などは私と同じで少しも動いたりはしなかったのだが、彼より発せられる声は、常に嬉しそうな声であった。

 いつしか、彼と話す時間を待つのが日課になっていった。

 

 

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  我々は、ユグドラシルを運営する者であったが、最近は落胆する事多くなってきた。

 ユグドラシルをプレイする者が少なくなってきており、我々が設定した謎を全て解明出来るのかと疑問を持つようになっていった。

 

  謎を謎のままにしておけば良いじゃないかと、する仲間もいれば、謎は全て解明して欲しいと、願う仲間もいる。

  だが、謎を全て解明するには難易度が高すぎる故に、難易度を下げようじゃないかと、いう意見もあったが、それを妥協してはゲームの本質を揺るがしかねないと却下された。

 

  ユグドラシルの難易度を下げるのが駄目ならば、プレイヤーの謎への耐久能力を上げる為にあるスキルを、選別したプレイヤーに渡そうと話し合いにより決まった。

 その職業名はワールド・フォー・ワン。

 




 初めはワールドアイテム世界の意思をガチャで手に入れて~云々の話にしようと思ったんですが、いまいち効果がはっきりしなかったので、違うモノにしてみました。

 個人的に世界の意思は時間制限orログインしている限りレベルキャップを取り除く物だと思ったんですが、いまいち構想が纏まらなかったのでキャンセルしました。
 もし、今後書くとしたなら装備を外さない限り成長出来るモノにしたいですね。

 まぁ、何かあったらチラ裏にでも書きますかね。






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