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SIerが初転職で見つけたエンジニアリングのやりがいーForkwell 転職成功インタビュー

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技術の向上を目指してSIerから転職

「自社プロダクトに関わって、もっと自分発信で仕事をしたい」

SESメインの企業で、SIerとしてエンジニアリングを担当していた中村壮一さんは、クライアントから受注する立場ではなく、自社企業のプロダクト開発に関わりたいと転職を決意しました。

「数年前からそういう思いはありました。前職では一人、多くても新人と二人という体制でクライアントからの受託という形で開発を行っていました。それはそれでやりやすいこと、自分の身になる面もあったと思うのですが、少人数で開発していく限界を感じていました」

中村さんが転職に求めたのは、「技術力の高い人たちと一緒に働ける環境」でした。教育大学で学び、一時は理科の教員を目指していたという中村さんは、元来「勉強するのが好き」で「その時々に興味があることを学んでいないと気が済まない」性分。転職は、キャリアアップというだけでなく、プログラミングやエンジニアとしての新たなスキルをもっと学びたいという向上心の現れでもありました。

「仕事の区切りというか、ちょうどいいなというタイミングが巡ってきたので転職をすることにしました」

数年前から転職を考えていたという中村さんは、転職活動開始直後、多くの人がそうであるように初めての転職に戸惑っていました。

「自分にとっては初めての転職。周りの友達にも転職経験者がほとんどいなかったので、わからないことだらけで(笑)。ネットから知識は仕入れていましたけど、実際に活動をはじめると『どうしたらいいんだろう?』ということがやっぱり多くありましたね」

転職とは自分の市場価格を知る体験

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中村さんがもっとも悩んだのは、「希望する年収」の設定でした。

「一番困ったのは、希望年収をどの辺りに設定したらいいのかですよね。受注という形でやってきたので、自分の仕事の相場、成果に対する報酬としてどれくらいが妥当なのかというのが見えていませんでした。転職先に選んでもらうためには高すぎても良くないだろうし、かといって安売りはしたくないし……。Forkwellさんに登録して一番助かったのは、実はこうした細かい質問、相談ができる点だったかもしれません」

仕様や構成でプロダクト自体の相場はわかっても、自分のスキルや貢献への対価がどれくらいなのかはあまり意識したことがない。中村さんにとって転職は、「自分の市場価格を知る機会」であり、能動的にプロジェクトに取り組むことは脱SIerの大きな動機でもありました。

「前職の給料はあくまでも給料なので、基準になりませんでした。かなり低い方だなという自覚はあったのですが、自分のスキルや実績を書き出していって、担当の方に相談できたのは助かりました」

転職活動をしていく中でいまの自分に「できること」が見え、これから「やりたいこと」が膨らんできます。そして、その価値は、自分が見積もっていたより価値のあるものでした。 「転職前と大きく変わったことの一つとして報酬があります。もちろんそれがすべてではありませんが、自分の評価として跳ね返ってくることなので、やりがいや自信につながります」

『SIerからWEBへ』ではなく、『受託から自社プロダクト開発へ』

中村さんが人生初の就職先に選んだ株式会社ヌーラボは、「チームで働くすべての人に」をコンセプトに、チャットツールである『Typetalk』や作図共有ツール『Cacoo』、プロジェクト管理ツール『Backlog』などのコラボレーション促進サービスを開発する会社です。

SIer業界で「誰かの製品」をつくってきた中村さんにとって、自社プロダクト開発に関われるWEB系の企業は、まさに「やりたかったこと」に直結しました。

「よく『SIerからWEBへ』とか言われると思うんですけど、前職でもWEBの仕事はしていましたし、自分の中ではそういうカテゴリ分けはピンとこないんです。クライアントの要望を叶える。そこで技術を発揮したいという人がいてもいいわけですし、自分たちでプロダクトをつくりたいと思えば、自社プロダクトを開発している企業に行けばいい。そこに善し悪しはないと思うんです。自分としては『受託から自社プロダクト開発へ』。そんなイメージで転職を決めました」

「SIビジネスの危機」という文脈で語られることも多いSIerという働き方ですが、中村さんは「SIerだからという理由だけで仕事の質や中身が限定されるわけではない」と言います。

「前職ではいわゆる“多重下請構造”はありませんでしたし、少人数でやっていたので、ブラックで辛いからやめたいというわけでなかったんです。ただ、プロダクト自体が自分のものじゃないということ、発注者の評価が基準になるところに難しさを感じていました」

新天地に選んだヌーラボは、自社プロダクトに強いこだわりがある企業。企業サイトの「ヌーラボについて」のページには「自社の製品開発に対して、強い情熱と愛を込めています。」との記述があり、プロダクトとその開発に対する情熱がうかがえます。こうした点が中村さんが転職先を決める上での決め手になりました。

転職プロセスで”自分”が見えてきた

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7月からヌーラボで働いているという中村さん。内定からは「早くこの会社で働きたい」とワクワクが止まらなかったそうですが、転職のプロセスはどのようにして進んでいったのでしょう?

「最初はカジュアル面談でした。先方からは自分たちがどういう会社で、どういうポジションの人材を探しているかという話がありました。私の技術的な紹介は、GitHubでリポジトリを共有する形で行いました。これに不足があればコーディングのテストを実地で行うと言われていましたが、私の場合はそれはありませんでした。その後、一次面接に臨みました。一次面接ではヌーラボさんのオフィスに伺って、募集している部署の方向性や課題を聞いた上で、どんな解決方法が考えられるか、自分ならどんな貢献ができるかというディスカッション形式で面談が行われました。ディスカッションをした相手が、実際にその仕事に関わっている人たちだったので、採用されてどういう風に働いていくのかが具体的にイメージできました」

 一次面接を終えるた中村さんは、二度目の面接に進むことになります。採用の過程をお聞きすると、実質これが最終面接だったようです。 「二度目の面接は、ヌーラボの本社がある福岡と、採用担当の方がいる東京、私が当時在住していた大阪の3ヵ所をつないでのオンライン面接でした」

 すべてが初めての経験だったという中村さんは、面接に当たって、印象に残っていることがあると言います。

「これまでは、基幹システムの仕事をメインにやっていて、前職のキャリアの後半でWEB系のお仕事をやるようになってという流れでした。自分としては現職に直結するWEBの実績をアピールした方がいいのかなと思っていたんですけど、Forkwellの担当の方に『基幹システムでの実績もアピールした方がいい』と言われて、経歴書や面接でのアピールポイントが変わったように思います」

 SIerで仕事をきっちりこなしてきたことは、実績であり、アピールポイントになる。中村さんは、このアドバイスで「やること自体は大きく変わらない」と、転職に自信が持てるようになったと言います。

学び多き新天地で次のステップを

「実際に働きはじめたいま思うのは、自分がやること自体はそんなに大きくは変わらないということです。ただ、やりがいと周囲からの刺激がまったく違う。向上心みたいなものは満たされています」

 チームで働くことで人数も増え、これまではなかった相談しながら精度を高めていくというプロセスも経験。中村さんが転職の動機に挙げていた「もっと勉強したい、学びたい」という思いは新天地で叶うことになります。

「以前から社内で勉強会を主催したり、後輩と二人で社内Wikiをつくったりして、学ぼうという努力はしてきたつもりだったんですけど、結局自分一人、少ない人数でだと限界があるんです。自分が知っている、または相手が知っている範囲のことに留まってしまう。でもチームで働いていると、自分にはない視点や自由な発想がたくさん見つかるので、学べる範囲が格段に広がりました」

 入社間もない中村さんですが、転職をしなければわからなかったこと、得られなかったことがたくさんあると自らの転職活動を振り返ります。

「私は、キャリアパスみたいなことを明確にとらえて転職をしようとしたわけじゃないんです。いまやりたいことと、昔やりたかったことって全然違って、3年後何をやりたいかもわからない。中学、高校は興味のほとんどは音楽にありました。中学でピアノを始めて、高校でクラシックの作曲やゲーム音楽のアレンジ、音大進学も考えるほどのめり込んで、大学では教育大学。教員になろうと思っていたときもあるし、いまの自分からは想像できないことばかりやっていました。だから本当に3年後に何をやっているかは想像もつかない。まったく別業種でと考えているわけではないけど、その時々に目の前にあることを追究するのが自分のキャリア」

 中村さんの ”学究肌”な一面が垣間見える言葉ですが、目の前のことに没頭しがちな中村さんが、転職を機に得たもっとも大きなものは、自分が夢中になってきたことに対する他者からの評価と、それによって得られた自信だったのかもしれません。

「転職を考えたとき、とくにSIerからの転職を考えている人たちは、自分に自信が持ちきれないという側面があると思うんです。私も自分では『やることは変わらない』と思いながら、転職活動を行うまでどこか自信が持ちきれないところがありました。SIerからの転職を悩んでいる人がいるとしたら、もっと気軽に転職に踏み出してもいいんじゃないかなと言いたいです」

 自信がないから転職しないというのは実は逆で、転職活動をしてみると見えてくる自信がある。エンジニアにとって、転職とは自分の市場価値を知り、スキルを磨くための場所に出合うきっかけなのかもしれません。

ライター:大塚一樹


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