【ニューヨーク=平野麻理子】米小売り大手のシアーズ・ホールディングスが破産申請に向けて準備を進めていることが明らかになった。米主要メディアが9日夜から10日朝にかけて相次いで報じた。ロイター通信によると、12日にも連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する見通し。債権団と債務返済条件の緩和を交渉していたが、破綻を回避できなかったようだ。
シアーズは15日に1億3400万ドル(約150億円)の債務返済期限を控えている。全額の支払いは不可能だとして、債権団に減額を求めていたが、交渉が難航した。9日には企業再建の専門家を社外取締役に起用したと発表したが、同時に過去数週間にわたって経営破綻時の準備も進めていたという。
シアーズは百貨店の「シアーズ」とディスカウントストア「Kマート」を合わせて900店程度展開している。アマゾン・ドット・コムなどネット通販の台頭で経営不振に陥り、店舗閉鎖や人員削減など積極的なリストラを進めたが、業績は上向かなかった。
10日の米株式市場でシアーズ株は一時前日比4割下落した。前日9日も6%下落していた。