角瓶は1937年に「サントリーウイスキー12年」として販売され、2017年で誕生から80年を迎えるボトルです。
当初のボトルには12yearsの表記がありましたが、その後は復刻版で再現されたように表記が外されました。
また、同じく当初から「Suntory Liqueur Whisky」という表記でしたが、これも1970年代前半には「Suntory Whisky」と改められました。
「角瓶」という名称は、もともとは愛称であり、1950年代からは正式に商品名としても使われるようになりましたが、ラベルの表記については現在においても角瓶、Square Bottleという表記はされていません(業務用のペットボトルだと「角瓶」表記がされています)。
外箱のみならず、専用の包装紙がついている点からしても、当時の角瓶のステータスが今よりもずっと上にあったと推測できます。
特級のウイスキーというだけでも、当時は値段も高くてぜいたく品というイメージがあったかもしれません。
未開封でしたが、キャップ周りの外装を外して開けようとすると、容易にキャップが回り、現行品のようにしっかり封印する構造にはなってませんでした。そのせいか、そこそこ目減りしていました。
また、底のほうにわずかながらも澱が確認できるため、いい保存状態ではないと想像できます。
今回は比較対象として、発売当初を再現したといわれている復刻版を持ち込みました。さすがに現行品と比べるにも段違いと想像されるためです。
ちなみに700mLのボトルがしれっと現行の角ばったものにリニューアルされていました。酒屋さんによっては、この新しい700mLの復刻版が出回っているかもしれません。
まずはストレートから。
1960年代の角瓶の液色は中庸な琥珀色で、香りは倉庫の中の埃っぽさが目立ちます。この辺りは保存状態の悪さ、目減り具合から想像できます。
口に含むと、埃っぽさの後に軽いピートがあり、その後レーズン、バニラ、青リンゴ、カラメルと続きます。
味わいはアルコールからの辛さがメインで、その奥から酸味と甘さがほのかに訪れます。
一方で復刻版のほうは、口に含んで一気にピートが中に広がり、そのあとでナシ、青リンゴ、カラメルが追いかけます。
味わいは1960年代以上に辛さが強く、奥から酸味、しばらくして甘さもやってきます。
意外にも1960年代のほうがマイルドに感じられますが、現行品よりも香りや味わいはしっかり引き立っています。
ロックにすると、1960年代ではピート、カラメルが香ります。ただストレートよりもフルーティさに欠ける印象です。
加水が進むと青リンゴのフルーティさも浮き出てきます。
味わいは甘さのほうが前に出てきて、酸味や辛さはあまり感じられません。
一方で復刻版では、ゴムの香りが先に現れ、その後にピート、バニラ、ナッツ、バナナと続きます。
味わいは酸味が中心となり、甘さと軽いビターを感じ取れます。
古酒としての保存状態を考慮しても、復刻版の香りの豊かさは特筆できるレベルですが、1960年代の角瓶も現行の角瓶はもちろんのこと、現行のオールドよりも格上にある香りのよさを感じられ、今のレベルで見ても2000円前後の価値観を感じられるボトルになっていました。
ただ、保管状態によって変質していることが多い古酒ですので、独特の埃っぽいにおいで思わず捨てたくなるかもしれません。1日ごとにボトルを振って空気に触れさせることを繰り返すとポテンシャルが戻る、という方法があるようです。
実際、今回のボトルを数日ほど空気を含ませる工程を繰り返すと、ボトルからの埃っぽさは少なくなり、ストレートでも抑えられて本来の香りが目立ってきますが、加水が進むと埃っぽさが顔を出すことには変わりはありませんでした。
特級表記の角瓶においては、テレビCMも頻繁に放送され、普及が進んできた1970年代、1980年代のボトルのほうがオークションなどでも手に入りやすく、家の倉庫などでも眠っている可能性は高くなるでしょう。
いずれ1980年代の角瓶が見つかれば、改めて比較してみようと思います。
ちなみに700mLのボトルがしれっと現行の角ばったものにリニューアルされていました。酒屋さんによっては、この新しい700mLの復刻版が出回っているかもしれません。
1960年代の角瓶の液色は中庸な琥珀色で、香りは倉庫の中の埃っぽさが目立ちます。この辺りは保存状態の悪さ、目減り具合から想像できます。
口に含むと、埃っぽさの後に軽いピートがあり、その後レーズン、バニラ、青リンゴ、カラメルと続きます。
味わいはアルコールからの辛さがメインで、その奥から酸味と甘さがほのかに訪れます。
一方で復刻版のほうは、口に含んで一気にピートが中に広がり、そのあとでナシ、青リンゴ、カラメルが追いかけます。
味わいは1960年代以上に辛さが強く、奥から酸味、しばらくして甘さもやってきます。
意外にも1960年代のほうがマイルドに感じられますが、現行品よりも香りや味わいはしっかり引き立っています。
加水が進むと青リンゴのフルーティさも浮き出てきます。
味わいは甘さのほうが前に出てきて、酸味や辛さはあまり感じられません。
一方で復刻版では、ゴムの香りが先に現れ、その後にピート、バニラ、ナッツ、バナナと続きます。
味わいは酸味が中心となり、甘さと軽いビターを感じ取れます。
古酒としての保存状態を考慮しても、復刻版の香りの豊かさは特筆できるレベルですが、1960年代の角瓶も現行の角瓶はもちろんのこと、現行のオールドよりも格上にある香りのよさを感じられ、今のレベルで見ても2000円前後の価値観を感じられるボトルになっていました。
ただ、保管状態によって変質していることが多い古酒ですので、独特の埃っぽいにおいで思わず捨てたくなるかもしれません。1日ごとにボトルを振って空気に触れさせることを繰り返すとポテンシャルが戻る、という方法があるようです。
実際、今回のボトルを数日ほど空気を含ませる工程を繰り返すと、ボトルからの埃っぽさは少なくなり、ストレートでも抑えられて本来の香りが目立ってきますが、加水が進むと埃っぽさが顔を出すことには変わりはありませんでした。
特級表記の角瓶においては、テレビCMも頻繁に放送され、普及が進んできた1970年代、1980年代のボトルのほうがオークションなどでも手に入りやすく、家の倉庫などでも眠っている可能性は高くなるでしょう。
いずれ1980年代の角瓶が見つかれば、改めて比較してみようと思います。
<個人的評価>
- 香り B: 現行品よりもピートが香り、その後レーズン、青リンゴ、バニラ、カラメルが続く。
- 味わい C: ストレートでは多少辛い。加水されると甘さが前に出るが、酸味は退いてしまう。
- 総評 B: 現行品に比べれば十分上のランクで、ハイボールで飲むしかない安酒には感じられない。
サントリーウイスキー 角瓶 復刻版 43度 700ml あす楽 |